五輪目指して来年スポーツ庁を創設 初代長官はアスリート?

2014年08月31日 17:14

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政府はスポーツが日本の国際的地位を高める上でも重要だとし、地域と連携を図りながら、優れたスポーツ選手を育成し、スポーツ立国の実現を目指す。2015年には一元的にスポーツ行政を取りまとめるスポーツ庁を創設する。

 2020年に開催される東京五輪に向けて、政府はスポーツ庁を創設する方針を固めた。15年度中に約100人体制で発足させる計画だ。初代長官には政治家や官僚ではく、スポーツ界で活躍する民間人を登用するとしている。

 スポーツ庁設置に向けての動きとしては、11年にスポーツ振興法が改定されている。1961年に制定されたスポーツ振興法はこれまで、学校教育におけるスポーツの意義に着目するものであったが、新たに成立したスポーツ基本法は、すべての人にスポーツを楽しむ権利があるとして、市民へのスポーツ推進を国の責務とすることを明示した。競技スポーツに限らず地域スポーツも奨励し、補助金などの財源確保についても言及しながら、国や地方自治体の積極的な推進対策を目的に掲げている。また、スポーツは国際交流の手段としても有効であり、日本の国際的地位を高める上でも重要だとしている。国と地域で連携を図りながら、優れたスポーツ選手を育成し、スポーツ立国の実現を目指すとしている。

 スポーツ推進対策の一環として、一元的にスポーツ行政を取りまとめる役割を担うのが新設されるスポーツ庁だ。現行では、文科省のスポーツ・青少年局が行政として機能を果たしている。このうち競技スポーツ課やスポーツ振興課などが、そのままスポーツ庁に移されることとなる。スポーツの教育的価値を今後も重んじる方針で、スポーツ庁は文部科学省の外局として設置することが予定されており、秋に実施される臨時国会で文科省設置法を改正したのち、来年4月に発足させるとしている。国費として支出されるメダル獲得のための強化費を管理し、各省庁の関係部門と情報を共有しながら、施策を一体的に進めていく。

 しかし、スポーツ界の課題は多い。日本オリンピック委員会(JOC)がまとめる競技団体で強化訓練費としての公的資金を不正に扱っていたという問題が相次いで発覚。大相撲の八百長問題や、柔道金メダリストの暴行事件、選手たちの告発により練習中における暴力やセクハラが一部で常態化していたことなどが明らかにされた。メダル獲得のみならず、スポーツ界の体質改善へ向けての取り組みも重要だろう。(編集担当:久保田雄城)