複合災害に備え緊急事態管理庁設置検討をと与党

2014年08月08日 06:20

 自民・公明が東日本大震災復興加速化のための第4次提言をとりまとめ、7日までに安倍総理に手渡した。「協働の力で希望と自立へ」をテーマにしている。提言は現況について「岩手・宮城は明確に復興途上にあるが、原子力事故に見舞われた福島はいまだ復旧の段階」と位置付けている。

 提言は東電福島第一原発事故の表現を「原子力事故」と表現。「原発事故」との表現を極力避けることで「原発再稼働」に対する国民の嫌悪感を刺激しないようにしているようにも受け取れる表現を繰り返し使用している。

 原子力事故(原発事故)災害被災地地域の復興加速化では「帰還困難区域にあっても、復興計画を策定し、計画を踏まえた集中的な除染とまちづくりなど、復興の取り組みをすすめ、家族そろって東京オリンピック・パラリンピックを応援できる『5年後には住めるまちづくり』を目指す」としている。

 また、提言は「同時複合災害に対する備えとして、国・地方、民間を含め、現場の救助・復旧面や行政面での人員を機動的に動員、指揮命令できる権限を持ち、平時であっても救助・復旧に関する研究、機材の開発、訓練など総合的に対応する『緊急事態管理庁(仮称)』などの設置を至急検討するよう」求めた。

 また、「原子力防災体制では、緊急事態管理庁設置の検討を待つことなく、専任の常駐スタッフを配置するなど、内閣の責任において一元的に万全の地元対応ができる体制を早急に構築すべき」としている。