日本法規情報が5月9日~27日に実施した「職場での世代間ギャップに関する意識調査」によると、若い世代ほど職場での人間関係に悩みを抱いているということが明らかとなった。調査は『法律事務所検索サポート』『弁護士事務所検索サポート』『法律問題・法律手続き・法律相談サポート』『司法書士事務所検索サポート』『行政書士事務所検索サポート』の運用情報やアンケートによって行われ、有効回答数は男性488人、 女性740人で、合計1,228人分となる。年代別に「職場で苦痛なこと」を尋ねる質問には、30代、40代では「不満はない」とするのがそれぞれ15%、17%であったのに対し、20代ではそれに該当する回答はなく0%だった。
職場に対する不満としてどの年代も共通して挙げているのが「有給をとりにくいこと」。20代では16%、30代は15%、40代は13%だった。一方、20代の「職場で苦痛なこと」で最も多かったのが「上司に叱咤されること」で21%を占めている。「『最近の若い人は…』と言われること」「職場での飲み会への参加」はどちらも14%で、上司との関係に精神的な負担を感じている姿が浮かび上がってくる。しかし「同僚とのランチ」も10%が苦痛と回答しており、20代は年齢の差に関係なく人間関係そのものを苦手とする人が多い傾向にあるようだ。また40代が挙げる「職場で辛いこと」には、「部下との世代ギャップを感じること」11%、「部下に指導すること」10%となっており、「特にゆとり世代とのコミュニケーション」が辛いとする人も9%いることが分かった。近年問題視されているモラル・ハラスメントやパワー・ハラスメントの背景には、世代間におけるコミュニケーション不足があるのかもしれない。
「職場の雰囲気を悪くしている人は誰?」という質問には「自分勝手な行動を取る人」が39%を占めるが、続いて「コミュニケーション能力が低い人」が17%となっている。他方、日本経済団体連合会が1,301社を対象に2013年11月に実施した「新卒採用に関するアンケート調査結果」(回答率44.8%)では、「選考にあたって特に重視した点(5つ選択)」という項目において「コミュニケーション能力」が86.6%で1位だった。10年連続で1位に変化はなく、企業側も人間関係を重視して採用を考えているようだ。学業成績や出身校についてはそれぞれ5.7%、3%となっており、学力よりも人間性を伸ばす取り組みが学生生活で重要となるかもしれない。(編集担当:久保田雄城)