日本産業カウンセラー協会によると2013年度「働く人の悩みホットライン」相談件数は4458件で、09年度の1518件と比較して直近5年間で約3倍に増加していることがわかった。相談室の相談件数も4,458件と4年間で1000件以上増加し、右肩上がりに増えていた。相談内容は、「生き方」や「性格」などを含む「自分自身のこと」。「職場の問題」では「人間関係」や「仕事のこと」に関する相談が多くを占めた。
相談室及び「働く人の悩みホットライン」のどちらにおいても 30代、40代の企業中間管理職層にあたる年代の方々からの相談が全体の6割強を占めていた。
相談者からの相談分野別割合を見てみると、「自分自身のこと」が最多で32.8%。内訳は「生き方」「性格」が突出して多く、3割強を占めていた。次いで「人間関係」についての悩みも1割強となっていた。
自分自身のことに次いで多い相談は、「職場の問題」で30.7%。内訳は、「仕事のこと」が4割、「人間関係」3割強が他の相談より圧倒的に多く、これらの悩みについて職場内で解消するための場やコミュニケーションが不足していると思われる現状が浮き彫りになった。
「メンタル不調・病気」「家庭の問題」に関する相談内容もそれぞれ1割強寄せられた。メンタルでは「メンタルな病気」に関する相談が半数を占め、「うつ」も3割だった。家庭問題では「親子関係」が4割強、「夫婦問題・離婚」が2割強となっていた。
また、電話相談の状況については女性からの相談割合が約6割と多くなっており、相談内容も「職場でのセクハラ・パワハラ」に関する相談が相談室利用時に比べ、約5倍と大きな差がでていることがわかった。
同協会では9月の世界自殺予防デーに合わせて毎年「働く人の電話相談室」を開設しているが、そこでの相談もやはり「職場の問題」および職場における人間関係や、そこからくるメンタルバランスの不調などの相談が多い結果になっている。
相談を受けたカウンセラーによると、自殺予防に重要な条件・環境のトップは「身近で相談できる人がいること」。たとえ解決につながらなくとも、まずは「誰かに話す」ということで悩みはずいぶん軽くなるのだろう。「おひとりさま」ブームもいいが、心の悩みを吐き出す相手の有無が、困難を乗り切る鍵となるのは今も昔も変わりがないようだ。(編集担当:横井楓)