2020年の東京五輪に向けてますますスポーツへの関心が高まることが予想されるが、株式会社JTBの「スポーツを通じた旅の楽しみ:スポーツを目的とした旅の実態と意向調査」によると、4人に1人がスポーツを目的とした旅行を行っており、37%が今後さらにスポーツへの関わりを増やしたいとしていた。東京五輪は66%が観戦したいと回答し、ボランティアとしての貢献を望む人も多かった。
調査は東京、大阪、名古屋圏に住む、20歳~69歳の男女合計1030人を対象にインターネットで実施した。
1年以内に実施したスポーツは散歩(73.7%)、ウォーキング(60.1%)、体操(47.0%)と、道具を必要とせずに手軽に健康増進に役立つスポーツが上位を占めていた。年代や性別では、「ランニング」は男性の実施率が高く、女性は「エアロビクス、ヨガ、ダンス」など美容と健康に役立つスポーツが多い傾向が表れた。
スポーツに毎月かけている費用の平均は、全体で28,781円、好きなことには、それなりの金額をかけている実態が明らかとなった。中でも50代~60代男性はそれぞれ、50代男性47,360円、60代男性60,739 円とかなりの費用をかけていた。ゴルフをする人も多いことから、コースに出る費用や道具などに費用がかかっていることも要因と考えられる。また、50~60代男性は、サプリメントや医療、整体など身体のコンディショニングにも費用をかけており、「体力や健康維持、回復」に対する関心の高さがうかがわれる。
過去3年間に「スポーツ実施を目的とした旅行(1泊以上)」をしたかどうかを聞いたところ、23.1%がスポーツを主な目的として旅行をしたと回答した。スキーや登山、ゴルフなど、そこに行かなければ出来ないスポーツを目的とする場合には、やはり宿泊を伴うことが多いようだ。一方、「観戦を目的とした旅行(1 泊以上)」をした人は7.6%で、野球、サッカー、ゴルフなどプロのリーグや選手が活躍するスポーツが中心であった。
これからのスポーツ(運動)との関わりについて聞いてみると、59.6%が「今と同じように関わりたい」、37.2%は「今よりも関わりを増やしたい」と回答した。20 年に予定されている東京五輪への関わり方については、66%が「観戦したい」、24.3%は「機会があったらボランティアとして貢献したい」と回答。ボランティアとして貢献したい意向は、女性 40 代で最も高くなっていた。
調査結果から国民のスポーツへの関心の高まりが明らかとなったが、中でも男性シニア層のスポーツへの取り組みが熱心なことがうかがえる。東京五輪の効果と相まって、スポーツへの興味が地域の活性化へとつながっていくことを期待したい。(編集担当:横井楓)