もう、手抜きなんて言わせない。オールインワン化粧品はマスクの時代へ

2014年09月06日 16:39

 スキンケア業界では今、「オールインワン」化粧品のブームが訪れている。

 オールインワン化粧品とは、化粧水や乳液、美容液、クリーム、下地化粧などの機能を兼ね備えた化粧品のことだ。製品によって内容は異なるが、洗顔後のスキンケアがそれ一つで事足りるので、時間的にも経済的にも節約できることで高い人気を得ている。

 富士経済が2014年3月に発表した「化粧品マーケティング要覧2014」によると、2013年度のオールインワンタイプの化粧品市場は前年比115%となる558億円。3年間で約1.5倍もの急成長をみせている。

 オールインワン化粧品とひと口に言っても、その形態は様々だ。オールインワン化粧品の主流といわれるのはジェルタイプとゲルタイプ。また、クリームタイプやローションタイプなどもある。そして最近、注目が高まっているのが、マスクタイプだ。

 マスクタイプのオールインワン化粧品の草分け的存在であるクオリティファーストの「オールインワン シートマスク」や、東京アロエが展開するスキンケアシリーズ「美ベール オールインワンフェイスマスク」などが人気を二分しているが、このたび、スキンケア分野で圧倒的な人気を誇る「肌研(ハダラボ)」ブランドを展開するロート製薬も、肌研シリーズ初となるオールインワンマスク「肌研 極潤 3Dパーフェクトマスク」を8月に新発売したことで、シェア争いが過熱しそうだ。

 ロート製薬は、2011年8月に発売したオールインワン化粧品「極潤 パーフェクトゲル」は初年度売上10億円を超える大ヒットを記録したあと、美白タイプやエイジングケアタイプ、UVカット機能つきなどの製品を次々に発表し、オールインワン化粧品市場を牽引してきた。今回の「肌研 極潤 3Dパーフェクトマスク」も、1枚で6役のスキンケアができるうえ、3Dヒアルロン酸をはじめとする4種類のヒアルロン酸、さらにはエイジングケアにこだわった、コラーゲンなど3種類のうるおい成分を配合している。また、マスクにはマイクロファイバーとレーヨンを組み合わせた肌あたりがやさしい不織布を採用しており、保湿性、密着性にすぐれたものとなっている。とくに今回の製品では、商品名にもなっている3Dヒアルロン酸が特長で、1gで6Lもの水分を抱えられるヒアルロン酸が立体の網目ように組み合わさった構造の成分となっており、まるでうるおいのネットが肌をつつみこむような感覚が得られるという。

 マスクタイプはまだ珍しいものの、朝の忙しい時間でも「ながら」ができるので、とくに働く女性を中心に、徐々に人気が高まっている。オールインワン化粧品の市場も、これまで簡単であることが災いして「手抜き」や「肌に悪いのではないだろうか」といったマイナスイメージを持つ人も多かったが、それも少しずつ解消されつつある。とくにマスクタイプのものは「マスク」や「アイマスク」の効果も期待できるので、通常の化粧品よりも保湿などの面で優れているのではないだろうか。そこに人気の肌研ブランドから「肌研 極潤 3Dパーフェクトマスク」が登場したことで、オールインワン化粧品の市場がさらに広がりを見せそうだ。(編集担当:石井絢子)