ニコン<7731>は医療ベンチャーに300億円を投資すると報じられ6円高。工作機械や狩猟用品のミロク<7983>は11~7月期の営業利益が29.8%増で、10月期の通期営業利益見通しを5.9億円から8.5億円に上方修正しストップ高の80円高になり年初来高値を更新した。消火器のモリタHD<6455>は、水を使わず窒素で消火する装置を開発と報じられ94円高で年初来高値を更新し値上がり率3位。日本原燃の施設にすでに採用され化学工場や美術館も需要があるという。
46道府県に「農地バンク」を設置し、耕作放棄地をそこに貸すと固定資産税は免除、貸さないと従来の3~5倍に増税するという「アメとムチ」の農地政策が報じられた。農業生産法人や株式会社や個人の農業への新規参入を促す効果が期待され、農業関連の井関農機<6310>は3円高、クボタ<6326>は11円高、クミアイ化学工業<4996>は1円高。イハラケミカル工業<4989>は除草剤や殺菌剤が伸び11~7月期の営業利益48.3%増と発表。10月期末に創立50周年記念配当5円を実施し、普通配当5円と合わせて期末配当を前期の2倍の10円とする。しかし通期営業利益見通し30億円に対する進捗率が91%でも上方修正しなかったのが問題なのか51円安で値下がり率8位に沈んだ。
低位建設株、リニア関連として人気の熊谷組<1861>は2003年に発行した優先株を今年度中に全て消却と報じられたが14円安。売買高、売買代金とも3位だった。東建コーポレーション<1766>は、5~7月期の経常利益が38.9%増の18.3億円に拡大し中間期見通しに対する進捗率が78.8%に達し125円高。賃貸住宅が中心なので今年は相続税対策の駆け込み需要がある。
九州電力<9508>は午前中に原子力規制委員会が川内原発1、2号機の安全対策が新規制基準を満たしたという審査書を正式に了承し、再稼働に前進して47円高。他の電力株も同じ加圧水型原発の関西電力<9503>は8.4円高、四国電力<9507>は28円高、北海道電力<9509>は5円高だった。日本原電敦賀2号機もスリーマイル島原発も加圧水型。東京電力<9501>は6円高。東京ガス<9531>は株式売却益で80億円の特別利益を計上して来期の最終利益が上振れすると見込まれ7.4円高で年初来高値更新。電気・ガスセクターは業種別騰落率トップだった。
反対に業種別騰落率最下位に甘んじたのが非鉄金属セクターで、住友金属鉱山は銅やニッケルの市況が悪化して66.5円安で値下がり率16位。インドネシアに続きフィリピンもニッケル鉱石の輸出禁止法案を議会に提出した。東邦亜鉛<5707>は12円安。しかし大平洋金属<5541>は15円高と逆行した。
三菱ケミカルHD<4188>は大和証券がレーティングを引き上げ5.8円高。日本触媒<4114>は野村證券が目標株価を引き上げ10円高。花王はタイに第2工場を建設すると報じられ100円高と大きく上昇した。
イトーヨーカ堂がパートを正社員に登用して管理職候補にするニュースがあったセブン&アイHD<3382>は30.5円高。良品計画<7453>はクレディスイスが新規にアウトパフォームの好レーティングをつけ目標株価を13900円に設定し90円高。ドンキホーテHD<7532>が8月の既存店売上高2.3%増と発表し2ヵ月連続のプラスで40円高。ディスカウンターはコンビニや食品スーパーと並び消費増税後の反動減に強い小売業態。オートバックスセブン<9832>はアマゾンと提携してカー用品の取付サービスを行うと報じられ13円高。アマゾンがネットで注文を受け付け、店頭の作業で手数料を得る。
日本マクドナルドHD<2702>は中国産鶏肉問題で8月の既存店売上高が25.1%減、客数が16.9%減、客単価が9.8%減とボロボロでも120円高。マクドナルドからお客さんが流れているという「丸亀製麺」のトリドール<3397>は44円高だった。東京建物<8804>は老人ホームの運営会社を買収したが13円安。ノウハウを二世代、三世代が同居、近居できる集合住宅に活かすという。
ゲーム・コンテンツ関連は全般に低調で、コロプラ<3668>は売買代金8位でも220円安で値下がり率3位、ボルテージ<3639>は80円安で同7位、Klab<3656>は73円安で同13位だった。アメリカのイーベイツの買収を正式に発表した楽天<4755>は売買代金7位に入り62円高と大きく上昇。新興市場は日経ジャスダック平均が0.74%下落、東証マザーズ指数が2.33%の大幅下落。売買を伴って上昇したのは380円高のアスカネット<2438>、1500円高のメドピア<6095>などだった。
この日の主役はストップ高の400円高で年初来高値を更新し値上がり率1位になった今仙電機製作所<7266>。売買代金でも16位に入った。子会社の今仙技術研究所が名古屋工業大学と共同で動力を使わない軽量の歩行支援器を開発したと発表し買いに火がついた。片方の足が不自由な人や高齢者の自立歩行をアシストして生活の質(QOL)を高める器具で、今仙技術研究所が製造と販売を担当して1台18万円で発売する。介護用、医療用に幅広い需要が期待できる。(編集担当:寺尾淳)