【日経平均】日銀金融政策現状維持で4日ぶり52円下落

2014年09月04日 20:13

 3日のNYダウは10ドル高。NASDAQは25ポイント下落で前日とは逆。ベージュブック(地区連銀経済報告)は全地区で経済活動が拡大したが、製造業受注は10.5%増でも市場予測を下回った。ウクライナとロシアが恒久的停戦で大筋合意という第一報で急上昇し、停戦ではなく「停戦方法で合意」という続報で下落。その後は雇用統計、ECB理事会の結果待ちの様子見ムードに支配されたがマイナスは一時的だった。サムスンがフルハイビジョンよりも画質2倍の有機EL搭載のギャラクシー新機種を発表した影響かアップルは4.22%も下落して1月以来の大幅安。9日の新製品発表会を前に噂が乱れ飛び、売り推奨を出すアナリストも現れた。4日朝方の為替レートはドル円が104円台後半、ユーロ円が137円台後半で円高に戻っていた。

 CME先物清算値は15710円。「経済を最優先する」第二次安倍改造内閣発足から一夜明けた日経平均は26.74円安の15701.61円で始まる。TOPIXもマイナス。開始後すぐに日経平均は15700円台、TOPIXは1300台を割り込む。午前9時3分に15676円で底を打った後に反転し、9時30分すぎにTOPIXとともに一時プラスにタッチする。10時台は一時15700円を割り込み、上海市場も香港市場もマイナスで始まるが、10時30分に発表されたオーストラリアの7月の小売売上高は前月比0.4%上昇で市場予測と一致。貿易収支は13.59億豪ドルの赤字だったが市場予測より良く、豪ドルに買いが入った。日経平均もマイナス圏ながら11時までに15720円付近まで上昇し、その後も15700円台を維持して前引けは15703円だった。

 午後0時7分に日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、「緩やかな回復」という景気の基調判断を維持。物価は日銀の想定通りに推移していると現状の金融緩和政策継続を全員一致で決めた。それを受け後場は15700円を割り込む水準で再開する。午後1時前後に15700円にタッチする時間帯もあったが、1時台後半にもう一度タッチした後はズルズルと値を崩し、15680円も割り込んでこの日の安値を更新しながら下げていく。2時51分には15663円まで下落。終値は52.17円安の15676.18円で4日ぶりに反落。日中値幅は69円だった。TOPIXは-5.13の1296.39で再び1300を割り込んだ。売買高は21億株だったが売買代金は1兆7404億円で再び2兆円割れ。日銀会合は通過しても夜のECB理事会、5日夜のアメリカの雇用統計と様子見になりやすいイベントが控えていた。

 値上がり銘柄は403。値下がり銘柄は1287で全体の70%。7業種が上昇し26業種が下落。プラスセクター上位は鉱業、パルプ・紙、電気・ガス、保険、食料品、非鉄金属など。マイナスセクター下位は建設、海運、その他金融、金属製品、鉄鋼、機械などだった。

 日経平均採用225種は値上がり57銘柄、値下がり161銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+9円、2位はファナック<6954>で+3円。マイナス寄与度1位はソフトバンク<9984>で-7円、2位はダイキン工業<6367>で-5円と、「御三家」が綱引きしていた。

 メガバンクはみずほ<8411>0.5円安、三菱UFJ<8306>3.4円安、三井住友FG<8316>23円安。しかし新生銀行<8303>はSMBC日興証券がレーティングを引き上げ4円高、売買高8位と買われていた。野村HD<8604>は1.5円安。終盤にド派手に動いたのがFXのマネーパートナーズG<8732>で、マイナスの水面下に沈んでいたのがSLBMのように2時台にいきなり〃垂直発射〃されストップ高の80円高まで急騰し年初来高値を更新して4日続伸。値上がり率1位、売買高、売買代金とも4位だった。為替レートが動いたわけではなく、同業のマネースクウェアジャパン<8728>が33円安、FXプライムbyGMO<8711>が8円安だっただけに、その突飛さが目立った。

 アメリカの8月の新車販売は前年同月比5.5%増で11年ぶりの高水準。日本勢はトヨタ<7203>が「レクサス」「IS」中心に6.3%増、ホンダ<7267>が0.4%増、日産<7201>が11.5%増。日本の8月の車名別新車販売台数が発表され、1位はトヨタのHV「アクア」が2ヵ月連続首位で、2位はホンダの「フィット」、3位にダイハツ<7262>の「タント」が入り、5~8位も軽自動車だった。株価は、アメリカでほぼ全車種に衝突回避ブレーキを搭載する方針のトヨタは10円高、ホンダは3円高、日産は10円高、ダイハツは6円安、富士重工<7270>は48.5円安、スズキ<7269>は9円高と、各銘柄高安まちまちだった。

 ソニー<6758>はドイツ・ベルリンの家電見本市でスマホでPS4を遠隔操作できるエクスペリア最新機種を発表したが17円安。IGZO液晶のシャープ<6753>は値動きなし、パナソニック<6752>は8.5円安、OKI<6703>は1円高だった。非常用空気電池で今週3日連続ストップ高の古河電池<6937>はストップしなかったが107円高で値上がり率7位、売買高11位、売買代金2位。値動きなしを含めてこれで9連騰。同じく電池がらみの材料で買われたのが栗田工業<6370>で、リチウムイオン電池の劣化を防ぐ新材料を開発と報じられ42円高で年初来高値を更新した。