昨年時点でのスマートフォン通称スマホの保有率は、男性50.1%、女性58.9%(博報堂調べ)。およそ、2人に1人がスマートフォンを所有し、毎月使用料を払っていることになる。
MMDLabo株式会社が20代~50代のスマートフォン所有者892人を対象に行った調査によれば、月額料金平均は6,514円。これらの月額料金に関しては64.5%が不満を持っており、実際に適正だと思う月額料金については平均で4,045円となり、現在月額料金と約2,500円の開きがあることになる。
モバイルフォンから進化を遂げたスマートフォンは、電話でありながら現在ではアプリやネットサーフィン等インターネット通信用途として用いられることが多くなった。加えて、FacebookやLINEといったSNSが広く認知されたことで、これまでは電話で行っていたやりとりもこれらのサービスを用いられることが多くなった。その代わり減少していると思われるのが、本来の電話としての用途である。
同社が、通信キャリア会社が付与する電話番号の必要性について聞いたところ、「とても必要」「どちらかといえば必要」を合わせた87.5%の人がキャリア番号は必要と回答した。その理由は、「時々使用するので念のため」が35.3%で最も高く、次いで「公共サービスの登録で必要」が33.0%、「万一かかってくる時のため」が29.0%となった。電話回線を頻繁に使用しているわけではないが、完全になくなると困るといった事情が透けて見える。
docomoやau・ソフトバンクといった通信キャリア会社の電話回線を維持するために、月額費用がかさんでいるとの指摘は以前からあった。電話機能の使用頻度が低い人ならなおさら気になるであろう。
通信だけであれば、Wi-Fi回線や話題となっている格安SIMカードでも可能である。安いものであれば980円程度、それ以下のものさえある。電話回線にこだわらなければこういったオプションも考えられる。格安SIMカードを、「よく知っている」「だいたい知っている」「名前を聞いたことがある」までを含めた認知率は84.1%だった。しかし、実際に利用している人は18.0%にとどまった。今後格安SIMカードが普及するかについては「普及すると思う」「まぁまぁ普及すると思う」を合わせ49.9%が普及すると回答した。
「昔から使っていていまさら電話番号を変えられない」「割引率が良くなっているので退会したくない」「本体を割引購入したから、すぐに解約できない」等の理由から、キャリア会社を辞めたくても辞められない状況を「キャリア縛り」という。一方、来る2015年にはどのキャリア会社でも使用できる「SIMロック解除」が義務化されるといわれている。いまだ崩れないキャリア会社による独裁体制の先行きはどうなるのであろうか。(編集担当:堺不二子)