大手3キャリアが横並びの料金となった国内通話完全定額制サービスの導入など、相変わらず激しいシェア争いが繰り広げられている携帯電話市場だが、そうしたなか30日、auのKDDI<9433>が2014年4月~6月期の連結決算を発表。それによれば、売上高は前年同期比1.8%アップの1兆205億円、営業利益は前年同期比9.0%アップの1947億円という結果で、増収増益となった。
スマートフォン(多機能携帯電話)による通信料収入が伸び、個人向けの通信料収入は前年同期比6.0%の4291億円。1契約あたりの月間売上高は前年同期よりも70円増え4220円となった。内訳は、音声が1840円、データが3410円で、割引の影響額は1030円マイナスとなっている。しかしスマートフォンの普及に伴い端末の販売は落ち込み、新規契約数から解約数を引いた個人向けの純増数は前年同期よりも約30万件少ない36万7000件となった。個人向けの携帯電話の販売台数は前年同期より46万台減少して183万台、うち、スマートフォンは前年同期より44万台減少して138万台であった。
番号ポータビリティによる転入出状況は明らかにされなかったものの、今後は以前のような顧客の出入りは少なくなるのではないかとの見解を示している。
NTTドコモ<9437>の「カケホーダイ&パケあえる」、そしてソフトバンク<9984>の「スマ放題」に続き、8月13日より国内通話完全定額制サービス「カケホとデジラ」を開始するKDDIだが、それにより契約数を伸ばし、また5月よりサービス提供が開始されているプリペイド型の電子マネー「au WALLET」によりさらに付加価値を高めていくとしている。
また通期の業績予想については、売上高は前期比6.1%アップの4兆6000億円、営業利益は前期比10.1%アップの7300億円との見通しを立てている。
このところ好調さが続くKDDIではあるが、こうした状況をNTTドコモやソフトバンクが指をくわえて見ているはずもなく、必ず何らかの対策を練ってくることだろう。ひと頃に比べると値下げ商戦も落ち着いてきた携帯電話市場ではあるが、まだまだ熾烈な争いは続きそうだ。(編集担当:滝川幸平)