フトバンクが20日、株式を保有する中国電子商取引の最大手「アリババグループ」が米ニューヨーク証券取引所に上場したことに伴い、2014年4~9月期連結決算(国際会計基準)に約5000億円の持ち分変動利益を計上する見通しであるとの発表を行った。
今、大きな話題となっているiPhone6でもって、NTTドコモ<9437>やKDDI<9433>のauと熾烈な顧客獲得争いを繰り広げているソフトバンク<9984>だが、そのソフトバンクが20日、株式を保有する中国電子商取引の最大手「アリババグループ」が米ニューヨーク証券取引所に上場したことに伴い、2014年4~9月期連結決算(国際会計基準)に約5000億円の持ち分変動利益を計上する見通しであるとの発表を行った。
ソフトバンクは「アリババグループ」の株式約3割を保有している筆頭株主で、「アリババグループ」が米ニューヨーク証券取引所に上場した際、株式を追加で売り出したことによって資産規模が増加。その結果、ソフトバンクの保有する株式の評価額も膨らむこととなった。なお、今回計上する予定が発表された持分変動利益約5000億円は試算値であり、ソフトバンクは利益が確定し次第、改めて発表するとしている。
ソフトバンクによれば、「アリババグループ」が新株を発行したことによりソフトバンクの持ち株比率は低下したが、上場に伴い「アリババグループ」の純資産は拡大。「アリババグループ」の筆頭株主であるソフトバンクは、現在のところ株式を売却する考えを持っておらず、現金収入は発生しない。新株発行後のソフトバンクの持ち株比率は32.4%になるとのこと。今回計上する予定であると発表された持分変動利益約5000億円のうち、法人税などを差し引いた金額が14年4~9月期の純利益に計上される見込み。
00年、ソフトバンクは「アリババグループ」が創業した直後に20億円の出資を行った。その「アリババグループ」が米ニューヨーク証券取引所に上場した後も、その株式を売却する考えは持っておらず、できるだけ長く持ち続けたいとの意向を示しており、そうして「アリババグループ」の上場後も株式のうち約3割を保有する筆頭株主であり続ける。
現金収入は発生しないものの、今回の約5000億円はソフトバンクにとって大きな武器となることは間違いない。これをどのように活用していくのか、今後の動向に関心が高まっている。(編集担当:滝川幸平)