結果的に減収減益ではあったものの、「王者」返り咲きに向けて順調な滑り出しをみせた、そんな決算内容であったと言えるかもしれない。25日、NTTドコモ<9437>が発表した2014年4~6月期の連結決算によれば、売上高が前年同期比3.4%ダウンの1兆753億円、営業利益が前年同期比15.3%ダウンの2096億円であり、減収減益という結果であったことがわかった。音声通話、データ通信の利用が伸び悩んだことが影響して、売上高、営業利益ともに前年同期を下回ることとなった。しかし。6月よりサービス提供を開始した新料金プラン、国内の音声通話が完全定額制となる「カケホーダイ&パケあえる」の加入件数が大幅に増加した。
音声通話やデータ通信の収入の減少により、減収減益となった今回の結果だが、しかし国内音声通話完全定額制の新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の加入件数は6月末までに467万件、7月24日には600万件を突破するなど、順調に件数を伸ばしている。
また、契約の純増数は前年同期の9万件から46万件と、5倍以上に増加した。そして番号ポータビリティ(MNP)による契約者の流出は3ヶ月で9万件と、前年同期の41万件から大幅に減少した。特にこれまでNTTドコモが悩まされ続けてきていた25歳以下の若年層の流出を、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」によって抑えることができたという。
現在、ソフトバンク<9984>やKDDI<9433>のauもNTTドコモに続いて国内音声通話完全定額制の新料金プランを行っており、その料金は3社とも横並びだが、それでもNTTドコモの新料金プランへの申込みは、平日で1日あたり4~5万件、休日は7万件のペースで増えているという。こうした新料金プランの好調さを受けてNTTドコモは、1000万件に乗せたいとの展望も示している。
このように新料金プランが好調に推移しているものの、結果としては減収減益である。NTTドコモが「王者」として返り咲くまでの道のりは、まだまだ長いともいえるだろう。しかし新料金プランの好調さが、返り咲きへ向けての好材料であることは間違いない。はたして返り咲きなるか?今後の動向に注目したい。(編集担当:滝川幸平)