小さな子を持つ親にとってベビーカーは必須アイテムだ。だが、公共の交通機関を利用する際には他の乗客の視線も正直気になる。神経を使っている人も多いだろう。そんな中、JR西日本は京阪神エリアの車両において、ベビーカーマークを掲出することを決めた。
小さな子を持つ親にとってベビーカーは必須アイテムだ。だが、公共の交通機関を利用する際には他の乗客の視線も正直気になる。特に雨の日や混雑時には、神経を使っている人も多いだろう。そんな中、JR西日本<9021>は京阪神エリアの車両において、ベビーカーマークを掲出することを決めた。10月10日からの運用となる。
ベビーカーマークは国土交通省の「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」が今年3月に策定した。マークは二種類あり、安心してベビーカーを使用することのできる場所を示す「案内図記号」と、逆に使用の禁止を表す「禁止図記号」がある。
ベビーカーマークを巡っての議論では、公共の交通機関内などで折り畳むことを指示するマークを作成すべきかどうかも検討されたが、荷物を抱えている場合折り畳むことは現実的に難しく、安全面からも問題があるとの結論が出された。また、混雑時に折り畳みを求めることも、一律の基準を設けることが困難であるため、利用者に対し他の乗客への接触を注意するよう案内したり、他の乗客にもベビーカーに対する注意を促すこととした。
JR西日本ではこれまでもポスター等を通じ、ベビーカーを安全に利用できるよう情報発信に勤めてきた。10月10日以降、京阪神エリアで運用する車両の車椅子スペース付近に順次案内図記号を掲出し、本年度中に完了させる予定だ。
一方、ベビーカー使用者に対するマナー向上も同時に考えなければならない問題だ。子どもが乗っていないのにベビーカーを広げたまま電車に乗ろうとする人や、閉まりかけのドアに無理やりベビーカーを突っ込ませる親を目撃したという人もいる。せっかく環境が整っても当の本人が危険な使い方をしているのでは全く意味がない。
譲り合いの精神があればベビーカーマークは必要ないのでは、という声もある。しかし、実際に子育てをした経験のない人にとっては、子どもを連れて移動することの大変さや、ベビーカーの必要性はなかなか理解できないものだ。逆にベビーカーマークが、社会全体で子どもを守り、育てるという雰囲気作りの一助となることを願いたい。(編集担当:久保田雄城)