安倍晋三総理は2日の参議院本会議で公明党の山口那津男代表の「新たな労働時間制度創設検討」に対する質問に答え「高度な専門性を持つ、プロフェッショナルな方が才能を発揮し、柔軟に働き方を選べるようにすること」が目的としたうえで「長時間労働を強いられることがあってはならないので、働き過ぎ防止の為、企業などに対する監督指導など、取り組み強化を図っているところだが、さらに制度的な対応の在り方についても検討を進める」とした。
また、安倍総理は「新たな労働時間制度は希望しない人には適用しない、職務が明確で、高い職業能力を持つ人材に絞る、賃金が下がることの無いようにする、この3原則のもと、対象となる勤労者の方々の健康確保を前提として制度を構築できるよう関係審議会で議論を進めていく」と答えた。
山口代表は質問の中で「政府は成長戦略で働き方改革を盛り込み、時間ではなく、成果で評価される新たな労働時間制度を創設するとしたが、公明党は時間で図れない創造的な働き方の検討に当たっては、内容によりサービス残業の合法化、長時間労働の常態化につながる懸念もあるため、労働者の健康管理に十分配慮し、慎重に検討するよう政府に申し入れた。労働者の健康確保が大前提だ」と訴え、「労働政策審議会で議論されているが、労使が遵守すべき安全・衛生の観点をふまえた議論がすすめられることを期待する」として、労働者の健康管理が確保、担保される制度設計を検討するよう求め、総理の見解を質した。(編集担当:森高龍二)