成長著しい女性向けスカルプケア市場。注目の商品は?

2014年10月04日 18:31

 ここ数年「スカルプケア」という言葉を耳にする機会が多くなった。スカルプブームの火付け役は間違いなく、株式会社アンファーの「薬用スカルプD」だろう。それまでにも男性用のシャンプーとしては、花王の「サクセス」や、ライオンの「薬用毛髪力」などがあったが、「頭皮(スカルプ)を洗う」という新しいコンセプトを打ち出したことで一躍、注目を浴び、大ヒット商品となった。2005年の発売以来、2桁成長を続けており、2008年度実績では13億円であった売上高は、2012年度には99億円にまで成長している。

 「薬用スカルプD」のヒットも手伝って、スカルプケア製品といえば、なんとなく男性用というイメージが強いが、もちろん女性も頭皮の悩みは抱えている。富士経済の調査によると、2013年度の国内化粧品市場は約2兆3000億円となっているが、その内の23%となる約5300億円をヘアケア・ヘアメイク関連が占めており、スカルプケア市場は180億円弱となっている。全体で見ると少ない数字のようにも見えるが、成長率は目覚しく、04年からみると、なんと300%の伸長を遂げており、成熟した化粧品市場の中で最も高い伸びを見せる期待の分野なのだ。

 女性向けのスカルプケア市場への新規参入も増えている。6月30日には、富士フイルムも、40~50歳代の女性を主な対象とするエイジングケア向け化粧品「ASTALIFT」ブランドから、独自のナノ技術で頭皮や髪内部への高浸透を実現した有用成分を配合した

 「ASTALIFT SCALP FOCUS(アスタリフト スカルプフォーカス)」を新発売した。スカルプエッセンス(頭皮用美容液)、シャンプー、コンディショナーの全3品目、3品種をラインアップとして展開することで、これまで同社が力を入れてきたスキンケアやインナーケアに加え、新たにヘアケア市場へ参入することを発表している。当面は一般店舗での販売は行わず、通販とアンテナショップでの販売のみというが、3年後にはヘアケア分野で年間売上高10億円という目標も立てられていることから、今後の動向が注目される。

 そして、スカルプケア分野ではもう一つ、面白いニュースがあった。それは、ローヤルゼリーなどのミツバチ産品でしられる山田養蜂場が、同社が製造販売している「薬用RJ地肌ケアエッセンス」を6ヶ月以上継続使用することで、毛髪の本数が増加することを実証したというのだ。

 「薬用RJ地肌ケアエッセンス」は、ローヤルゼリーエキスのほか、血行促進作用を持つ「タマサキツヅラフジエキス」や抗炎症作用を持つ「グリチルリチン酸ジカリウム」など種類の天然美容成分を配合された育毛剤で、2012年より発売されている。

 今回、同社では毛髪のハリ・コシの無さや薄毛に悩みを持つ40~60代の同社従業員を対象に、この「薬用RJ地肌ケアエッセンス」を6ヶ月間に渡って、朝晩1日2回、乾いた頭皮に使用してもらい、頭頂部と前頭部の2ヶ所の画像撮影、フォトトリコグラムによる毛髪本数、毛髪直径、毛髪成長速度、および成長期毛率の解析を行った。また、それに伴って、毛髪および頭皮の状態に関するアンケート調査も行っている。その結果、同製品の使用開始6ヶ月後に毛髪の本数が有意に増加したことが確認されただけでなく、アンケート調査でもモニター参加者の50%が、「1回の使用で効果が期待できる」、87%が「継続して使用したい」と満足度の高い回答をしており、1回の使用で育毛効果への高い期待感が得られたという。

 髪は女性の命。本来、薄毛の悩みは男性よりも女性の方が深刻なのかも知れない。日本の女性がいつまでも美しくありたいと思う女性たちにとって、美白や美肌に続くアンチエイジングとして、スカルプケアへの注目がますます高まりそうだ。(編集担当:石井絢子)