冬の隠れた定番でほっこり気分

2012年12月23日 14:28

 寒さが増す冬にからだを温めほっこりした気分にさせてくれる、日本人になじみ深い「おしるこ」。中でも手軽に楽しめる缶入りおしるこには根強いファンも多く、各社が独自ブランドを市場へと投入。冬の自動販売機のラインアップに登場することが定番化しているため、中高年から若い世代も含め幅広い世代に支持されているようだ。

 ダイドードリンコの「金のおしるこ」は、素材は国産にこだわり、北海道の大地で育った小豆を厳選して使用。香料は一切使用せず、素材本来の上品な香り、程よく甘く深みのある味わいに仕上げている。また、パッケージを大幅にリニューアルし日本人の心に響く和のテイストを採用。温もりのある小豆色のグラデーションを背景に、金を挿し色に使ったデザインで、上品なイメージを表現している。また、中央におしるこのシズルを配し、「北海道産小豆使用」「ふっくら粒入り」と明記することで、素材へのこだわりとおいしさを強く訴求しているという。

 また、アサヒ飲料は「アサヒ おしるこ 缶190g」をリニューアル発売している。同製品は昭和25年創業の老舗製餡メーカーである遠藤製餡との共同開発商品。中味は厳選した3種類の豆(竹小豆、いんげん豆、小豆)をブレンドして使用。それぞれの豆の「風味」「うまみ」を活かしているようだ。パッケージは「おしるこ」のイラストを大きく配し、老舗製餡メーカーとの共同開発で実現したこだわりを表現している。

 伊藤園は上品な甘みが特徴の北海道産“大納言小豆”を100%使用した「大納言しるこ」の販売を開始している。缶の中で小豆を茹で上げる同社独自の「まるごと茹で上げ製法」(特許第4257323号)により、旨み成分をそのまま残し、味わい豊かなおいしさに仕上げている。さらに一度に飲みきれないときなどにリキャップできる缶容器を採用。広口の容器形状のため、粒が出やすく最後までおいしく飲み干せるという。

 前述のアサヒ飲料のホット飲料実態調査によると、ホット飲料の飲用目的が「ほっとできる」「リラックス」などの気分的な効果から「体が温まる」「甘さを求める」などの実用性に変化しているという。この「おしるこ」のように年配の人には懐かしく、また若い世代には新鮮な和スイーツは、甘くて身体を温めてくれる、というホット飲料のベーシックな魅力を感じられる代表的な商品なのかもしれない。(編集担当:宮園奈美)