【今週の振返り】SQ週のジンクスが復活し408円下落した週

2014年10月11日 20:14

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3日で272ドル安、274ドル高、334ドル安と日替わり乱高下のNYダウと、100円台の下落がズルズル4日続いた日経平均との、コントラスト鮮やかな秋。

 前週末3日のNYダウは208ドルの大幅高で5日ぶりに反発し17000ドルの大台を回復。NASDAQ総合指数は45ポイント上昇した。注目の9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比24.8万人増で8月改定値の18万人増より伸びが拡大し、市場予測の21.5万人を3.3万人も上回った。失業率は5.9%で8月比0.2ポイント低下し、6%を割り込んだのはリーマンショック直前の2008年7月以来6年2ヵ月ぶり。景気の先行き不透明感が払拭され、しかもイエレンFRB議長が気にする「雇用の質」の時給の伸びが市場予測を下回ったことで早期利上げ観測も高まらず午前中から幅広い銘柄が買われた。6日朝方の為替レートはアメリカの長期金利が上昇してドル高円安が進んでドル円が109円台後半、ユーロ円が137円台前半。

 日経平均はNY株高、円安進行を受け173.63円高の15882.28円と大幅高で始まる。TOPIXは1300に接近するがタッチできない。午前9時4分に15888円まで上昇するが、16000円はおろか15900円にも届かず折り返し9時11分に15808円まで下げる。その後は為替が円高方向に戻し、おおむね15840~15850円台で小動きしてもみあう。3日のアメリカ雇用統計を織り込み、日銀会合後の黒田総裁の記者会見待ちやSQ週への警戒ムードでなかなか上値を追えない展開。上海市場は休場。香港ハンセン指数はマイナスで始まる。香港政庁を占拠していた学生団体が封鎖を一部解除し業務がほぼ正常化というニュースが流れハンセン指数はプラスに転じた。日経平均は10時台後半から上昇を開始し、11時直前に15900円を突破し高値を取ってなお上昇。TOPIXは1300台を回復。日経平均は11時21分に15926円をマークし、前引けは15912円だった。

 後場はほぼ前引け水準で再開するが午後0時38分に15951円まで上昇。その後も堅調に15900円台前半をキープして16000円にタッチする時機をうかがう。2時10分には15970円まで上昇するものの16000円タッチはお預け。2時台後半はドル円が109円台前半まで円高方向に振れたため徐々に値を下げていき、TOPIXは1300を割り、日経平均も大引け前に15900円を割り込んで終値は182.30円高の15890.95円と続伸。日中値幅は162円だった。TOPIXは+13.86の1296.40。売買高は20億株だったが、売買代金は1兆9845億円で5日ぶりに2兆円を割り込んだ。

 プラスセクター上位は非鉄金属、その他金融、機械、電気機器、ゴム製品、輸送用機器など。下位は電気・ガス、不動産、卸売、陸運、情報・通信など。マイナスセクターは鉱業だった。

 週明け6日のNYダウは17ドル安と反落。NASDAQは20ポイント下落した。午前中は高く始まったが、今週始まる主要企業の決算発表を見極めたい様子見ムードで午後はマイナスに。7日朝方の為替レートはドル円は108円台後半、ユーロ円は137円台後半だった。

 日経平均は49.78円安の15841.17円で始まる。TOPIXもマイナスでスタート。日経平均は午前9時6分に15800円を割り込んで15790円まで下げるが、そこから15850円オーバーの水準まで上昇してマイナス圏ながら底堅い。TOPIXは10分ほどでプラスに浮上し、「NTねじれ」の時間帯が長く続く。上海市場は休場。10時30分に香港市場が大幅下落で始まるといったん凹むが、黒田総裁が金融政策決定会合を一時中断して参議院予算委員会で野党の質問に答え「今まで起きた円安は日本経済全体にとってマイナスということはない」と述べると円安が進行しドル円は109円台に乗せ、日経平均は11時台にプラスに浮上しTOPIXは1300台に乗せた。香港ハンセン指数のプラス転換もあって11時13分には15913円まで上昇し、前引けは15897円だった。

 後場は15887円のわずかなマイナスで再開。プラスに戻らないまま15850円近辺で「NTねじれ」状態で推移したが、午後1時30分を回ると急落し、TOPIXもマイナスに。午後再開した国会で安倍首相が円安について「輸入価格の高騰でマイナスの影響を受ける企業がある」「家計や中小・小規模事業者にデメリットも出ている」などと答弁。ドル円はたちまち109円台から滑り落ちて円高方向に振れる。その後、途中で中断があり遅れていた日銀の金融政策決定会合の結果が出て、大方の予想通り「全員一致で金融政策現状維持」だった。

 その後、2時前に値を戻してTOPIXはプラスに戻る場面もあったが、内閣府が2時に発表した8月の景気動向指数速報値は、一致指数は2ヵ月ぶりに低下して前月比1.4ポイント減の108.5、先行指数は3ヵ月ぶりに低下して1.4ポイント減の104.0と悪化。2時台の株価指数は下がる一方で前場の安値を割り込んで「SQ週の火曜日」らしい荒れ方になる。日経平均は15800円を割り込んで2時50分に15755円、TOPIXは1290を割り込んで1288.97まで下落した。ドル円は108円台半ばまで円高が進行。終値は107.12円安の15783.83円で3日ぶり反落。日中値幅は158円も振れていた。TOPIXは-5.51の1290.89。売買高は21億株、売買代金は2兆130億円で大台を回復した。

 プラスのセクターの上位は保険、空運、水産・農林、電気・ガス、食料品、陸運など。マイナスのセクターの下位は非鉄金属、その他金融、証券、機械、ガラス・土石、建設などだった。

 7日のNYダウは272ドルの大幅安で約2ヵ月ぶりの安値。NASDAQは69ポイント下落した。引き金を引いたのはIMFの世界経済成長見通しで、7月発表から2014年は0.1ポイント、2015年は0.2ポイント引き下げ、先進国では日本、ユーロ圏を下方修正。そのユーロ圏の経済を引っ張るドイツの8月の鉱工業生産指数は前月比4.0%減と大幅悪化。序盤から始まった売りは午後も止まらず、主要企業決算への懸念も浮上しリスクオフ。ダウ30種はコカ・コーラ以外全て下落した。長期金利が低下してドル安円高が進行し、8日朝方の為替レートはドル円は108円近辺、ユーロ円は136円台後半だった。