週明け6日のNYダウは17ドル安と反落。NASDAQは20ポイント下落した。午前中は高く始まったが、今週始まる主要企業の決算発表を見極めたい様子見ムードで午後はマイナスに。HPはパソコン・プリンター事業と法人向けIT関連事業に2分割する計画を発表し4.7%上昇。新たに5000人の人員削減も発表した。サファイアガラスメーカーのGTアドバンスト・テクノロジーズは連邦破産法11条の適用を申請しNY市場には値幅制限がないので92.76%の大暴落。従来型iPhoneにも供給しているがアップルは値動きなし。シェブロンはカナダのシェールガス・オイルの権益の一部をクウェート企業に15億ドルで売却と発表し0.3%上昇した。7日朝方の為替レートはドル円は108円台後半、ユーロ円は137円台後半だった。
CME先物清算値は15780円。最近は荒れることが多い「SQ週の火曜日」の日経平均は49.78円安の15841.17円で始まる。TOPIXもマイナスでスタート。日経平均は午前9時6分に15800円を割り込んで15790円まで下げるが、そこから15850円オーバーの水準まで上昇してマイナス圏ながら底堅い。TOPIXは10分ほどでプラスに浮上し、「NTねじれ」の時間帯が長く続く。上海市場はこの日まで休場。10時30分に香港市場が大幅下落で始まるといったん凹むが、黒田総裁が金融政策決定会合を一時中断して日銀本店から国会議事堂に向かい、参議院予算委員会で野党の質問に答え「今まで起きた円安は日本経済全体にとってマイナスということはない」と述べると円安が進行しドル円は109円台に乗せ、日経平均は11時台にプラスに浮上しTOPIXは1300台に乗せた。香港ハンセン指数のプラス転換もあって11時13分には15913円まで上昇し、前引けは15897円だった。
後場は15887円のわずかなマイナスで再開。プラスに戻らないまま15850円近辺で「NTねじれ」状態で推移したが、午後1時30分を回ると急落し、TOPIXもマイナスになった。午後再開した国会で安倍首相が円安について「輸入価格の高騰でマイナスの影響を受ける企業がある」「家計や中小・小規模事業者にデメリットも出ている」などと答弁。黒田総裁がマッチで火をつけた為替の円安に安倍首相がポンプで水をかけたような格好で、ドル円はたちまち109円台から滑り落ちて円高方向に振れる。その後、1時54分に途中で中断があり遅れていた日銀の金融政策決定会合の結果が出て、大方の予想通り「全員一致で金融政策現状維持」だった。
その後、2時前に値を戻してTOPIXはプラスに戻る場面もあったが、内閣府が2時に発表した8月の景気動向指数速報値がまた水をかける。一致指数は2ヵ月ぶりに低下して前月比1.4ポイント減の108.5、先行指数は3ヵ月ぶりに低下して1.4ポイント減の104.0と悪化。2時台の株価指数は下がる一方で前場の安値を割り込んで「SQ週の火曜日」らしい荒れ方になる。日経平均は15800円を割り込んで2時50分に15755円、TOPIXは1290を割り込んで1288.97まで下落した。ドル円は108円台半ばまで円高が進行。国会も波乱の舞台になったザラ場を終え、終値は107.12円安の15783.83円で3日ぶり反落。日中値幅は「黒田マッチ・安倍ポンプ」で158円も振れていた。TOPIXは-5.51の1290.89。売買高は21億株、売買代金は2兆130億円で大台を回復していた。
値上がり銘柄は400、値下がり銘柄は1347で全体の73%を占めた。上昇は7業種、下落は26業種。プラスのセクターの上位は保険、空運、水産・農林、電気・ガス、食料品、陸運など。マイナスのセクターの下位は非鉄金属、その他金融、証券、機械、ガラス・土石、建設などだった。
日経平均採用225種は値上がり45銘柄、値下がり174銘柄。プラス寄与度1位は8日ぶりに反発したソフトバンク<9984>で+4円、2位は富士フイルムHD<4901>で+3円。マイナス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で-34円、2位はファナック<6954>で-8円。この2銘柄で下落幅の4割を占めていた。
メガバンクはプラスの時間が長かったが、クレディスイスが目標株価を引き上げたもののみずほ<8411>は0.1円安。三菱UFJ<8603>は3.1円安、三井住友FG<8316>は8円安で終えた。証券セクターは業種別騰落率31位と悪く野村HD<8604>は7.9円安。後場に円高が進行したため自動車セクターは安くなり、トヨタ<7203>は17円安、マツダ<7261>は野村證券が目標株価を引き上げたが71円安、ホンダ<7267>は14円安、富士重工<7270>は49円安。その中でスズキ<7269>は静岡県内3カ所の二輪車生産拠点を浜松工場に集約するニュースで買われ89.5円高で8日ぶりに反発した。
この日から家電・IT見本市の「CEATEC JAPAN 2014」が千葉市の幕張メッセで開幕。ウエアラブル端末、自動車の自動運転など注目テーマも各社が出展する。ソニー<6758>はアメリカの携帯電話最大手ベライゾンに最新スマホ「エクスペリアZ3」を供給と報じられたが24円安。東芝<6502>は21.5円安、シャープ<6753>は7円安、NEC<6701>は9円安。その中で富士通<6702>はモルガンスタンレーがレーティングを引き上げ7.1円高と逆行高していた。