トヨタ製HVの世界販売700万台超となった。2014年9月末現在、トヨタはハイブリッド乗用車27モデル、プラグインハイブリッド車1モデルを、世界90以上の国・地域で販売している。写真は昨年の東京モーターショーで発表、今年1月発売されたHVミニバン「VOXY HV」
トヨタ自動車は、ハイブリッド車(HV)の全世界グローバル累計販売台数が、2014年9月末で705万台となり700万台を突破したと発表した。
トヨタは前世紀から、環境対応を自動車メーカーとして経営の最重要課題のひとつと位置付け、「エコカーは一般に普及してこそ環境へ貢献する」と考え、HVのラインアップの充実と普及に取り組んできた。
1997年12月に「21世紀に間に合いました」と喧伝して、トヨタは世界初の量産ハイブリッド乗用車「プリウス」を発売。以来、日本や北米を中心とした熱烈なファンに支えられた恰好で、昨2013年12月末に600万台を突破。それから約9カ月で100万台を加え、累計販売台数700万台を達成したこととなる。
2014年9月末現在、トヨタはハイブリッド乗用車27モデル、プラグインハイブリッド車1モデルを、世界合わせて90以上の国・地域で販売している。今年1月より発売した5ナンバーミニバンのヴォクシー&ノアのハイブリッド車や、7月より発売したレクサスNX300h、10月下旬に発売を予定するレクサスRC300hなどを含め、2014年から2015年の2年間で15モデルの新型HVをグローバル投入する予定だ。引き続きラインナップの拡充、販売地域の拡大を推し進めるという。
トヨタ製HVの累計販売台数のトップにあるのは、やはりプリウスで、初代からの世界販売は336万台超となり、トヨタ製HVのおよそ半数近くを占めている。次点は85万台超のアクア。次いで、カムリHVとプリウスαが50万台弱で拮抗している。
なお、2014年9月末までに販売したハイブリッド車のCO2排出抑制効果は、車両サイズおよび動力性能が同等クラスのガソリンエンジン車のCO2排出量と比較し、約4900万トンに上るとトヨタでは試算しており、気候変動の原因のひとつとされるCO2の削減に寄与したとしている。また、ガソリン消費抑制量は、同等クラスのガソリンエンジン車のガソリン消費量と比較し、約1800万キロリッターの効果があったとトヨタでは試算している。
トヨタは、各種のエコカー開発に必要なすべての要素技術を含み、さまざまな燃料を使用する内燃機関と組み合わせることができるハイブリッド技術を「21世紀の環境コア技術」とする。そのうえで、ハイブリッド技術を活用することでHV以外のエコカー開発にも取り組み、更なる高性能化やコスト低減、商品ラインナップの拡充に取り組むという。
初代プリウスがデビューしたときには、「HVは燃料電池車が普及するまでの“繋ぎ”の技術だ」とする意見が多かったが、10数年を経てエコカーのメインストリームとなった感がある。(編集担当:吉田恒)