「Toyoya_86」ファンは急げ。TRD_86「14R-60」は100台限定の2座クーペ

2014年10月17日 08:12

86_Limited

トヨタ86TRDコンプリート「14R-60」は、究極86として開発したテスト車両「86 TRD Griffon Concept」をベースとする。この「86 TRD Griffon Concept」は「筑波サーキットコース2000」にてベストラップ58秒407を記録したモデルだ

 トヨタテクノクラフトは、TRD(ティー・アール・ディー/Toyota Racing Development)ブランドでお馴染みのトヨタ車関連のモータースポーツとそのためのカスタマイズパーツ開発・販売を行なっている企業だ。今期、創業60周年を迎えた。

 2012年2月にトヨタから、あの画期的な新しいスポーツカー「トヨタ86(ZN6型)」が発表となった。TRDは発表前から、その86に対してパーツ開発を行なっていた。これはTRDがトヨタの100%出資子会社であることから可能となった特権である。新型86の発表と同時にエアロパーツやサスペンションといった多くの商品を発表した。

 しかしながら、これはあくまで限られた時間の中で、新車発売に合わせて開発した製品で、TRDとしてレーシングマシンまで手がける同社技術のすべてを内包したものではなかった。

 そのTRDが、トヨタ86をベースに開発した高性能実験車両「86_Griffon Concept」の技術をフィードバックし、サーキットにおいても限界領域に挑むことが可能な市販車両を目指して開発した車両が、ここで紹介するTRD_86「14R-60」だ。ネーミングの由来は、2014年と社名と一致するRacing、そして60周年である。

 14R-60は、ボディ剛性を見直すことで実現したバランスのとれた強固なボディ、その強固なボディに支えられた高次元のシャシー性能、そしてTRDの持つ空力ノウハウとエアロダイナミクス技術が惜しみなく投入された。

 「14R-60」の基礎となったGriffon Conceptの開発のテーマは「究極の86」を創る。それがGriffonプロジェクトの大きな目標だ。そのため、メンバーはTRDのあらゆる分野から集められた。用品開発メンバーに加えて、スーパーGTの開発に携わるシャシー・空力・エンジンのプロフェッショナルも集結。普段はレースというフィールドで開発を行なっているスタッフだ。

 ただし、「14R-60」という市販車へのフィードバックを行なうことを前提としているため、いくつかのルールに基づき開発は進められた。それは、駆動系はオリジナルのFR(フロントエンジン・リヤドライブ)であること。FA20エンジンをベースとするNA(自然吸気)エンジンであること。また排気量アップもしない。ボディ&モノコックの変更は行なわず、ロールバーも装着しない。

 これらチューンにより、ストリートからサーキット領域まで、操舵に対してリニアで正確な挙動を実現する。そこでドライバーと車が対話できる車両に仕上げられているという。

 エンジン本体はノーマルながら、スポーツエアフィルター及び専用のハイレスポンスマフラーにより吸排気性能の効率アップが図られた。その他、TRDロゴ入りのカーボンプレートが装着されたレッドのインテークマニホールドカバー、ラジエターキャップ、スポーツオイルフィルター、強化エンジンマウントなどが専用に装備され、さまざまな見た目の特別感も──。

 乗車定員は2名に変更され、シートは、2名分のフルバケットシート、競技用TAKATA製の4点式シートベルトも装着される。購入したままで、サーキット走行に十分な装備となっている。

 本体価格は、630万円。限定100台。購入希望者多数の場合(明らかに多数になると予想できる)、抽選によって購入者を決定する。トヨタWebパスポート会員限定で商談が可能とのこと。申し込み期間は2014年10月20日正午まで。気になる方は急いで公式HPをチェックすべき。

 ただし、ネーミングの項で触れたように“14”は2014年を表す。もしかすると、86TRDコンプリート「15R-61」が来年発表されるかもしれない。まったく責任は持てませんが……。(編集担当:吉田恒)