ホンダ最上級セダン「レジェンド」を年内発売。最新のハイブリッドシステムと安全運転支援機能を搭載

2014年10月26日 20:44

Honda_Legend

米国で実験を繰り返し行った「Honda SENSING」検証車両。車両はアキュラTLX、新型レジェンドの米国バージョンだ。

 大規模リコール問題に揺れるホンダが、年末に向けて新車攻勢をかける。まずフィットをベースにしたハイブリッド・セダン「グレース」、次いでステップワゴンのフルモデルチェンジ、そしてホンダの最上級セダンのレジェンドが復活する。ホンダによると年内に新型レジェンドを発表するとしている。

 昨年11月、米LAオートショーでSport Hybrid+SH-AWD(Super Handling All Wheel Drive)を搭載した3モーター型ハイブリッド車をホンダは公開していたが、まさにあのクルマが新型レジェンドだ。

 組み合わせるエンジンは、3.5リッターV型6気筒i-VTEC。システム合計出力は377hp(382ps)と発表されている。このシステムは、エンジンをアシストして前輪を駆動するモーターのほかにリアホイールにインホイール・モーターを組み込んでリア側の駆動力を左右個別に制御するシステムだ。この駆動システムは、その後のNS-Xで本格ミッドシップスポーツのパワートレーンとしても採用する。

 ホンダは新型レジェンドの発表に先駆けて、搭載する先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ・センシング)」の概要を発表した。

 新型に搭載する「Honda SENSING」は、特性の異なる2種類のセンサーであるミリ波レーダー(フロントグリル内に設置)と単眼カメラ(フロントウィンドウ上部に設置)で構成するシステムだ。ミリ波レーダーの性能は従来型に比べてセンシング能力が大幅に向上、対象物の位置や速度だけでなく、検知が難しいとされてきた電波の反射率が低い歩行者まで検知対象とした。また、単眼カメラは車両前方約60mまでの歩行者や対象物の属性や大きさなどを識別、より精度の高い認識を可能としている。

 これらのセンシングデバイスの大幅な精度向上により、これまでの運転支援システムに「歩行者事故低減ステアリング」など新たに6つの機能を追加した。多機能化と同時にデータの処理能力を向上、周囲の状況に加えてドライバーの意思と車両の状態を認識し、ブレーキやステアリングなどの車両各部を協調制御する。車速・車間制御と車線維持支援制御の双方において、通常走行時から緊急時のリスク回避までの支援を行なう。

 代表的なシステムとして、ミリ波レーダーと単眼カメラで前走車、対向車、歩行者を検出。前走車や歩行者との衝突の恐れがある場合に音と表示で知らせ、さらに接近した場合は軽いブレーキをかけて体感的に警告。さらに接近した場合は強いブレーキをかけ回避操作を支援する「衝突軽減ブレーキシステム(CMBS)」を搭載。加えて、歩行者との衝突が予測された場合に、音と表示に加え、ステアリングを回避方向へ制御し、ドライバーの回避操作を促す世界初の「歩行者事故低減ステアリング」が挙げられる。そのほかに車線維持支援システム、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール、路外逸脱抑制機能、誤発進抑制機能、標識認識機能などを備えた、多彩なドライビング支援システムとなっている。

 この「Honda SENSING」は、レジェンドへの搭載からスタート、今後発表する新型車に順次搭載していくとみられる。(編集担当:吉田恒)