三菱自、円安効果により業績予想を上方修正

2014年10月26日 10:49

 円安効果の追い風、そしてコスト削減効果が働いたことにより、三菱自動車<7211>が2014年4~9月期の業績予想のうち、売上高以外の項目に対して大幅な上方修正を行った。

 22日に行われた三菱自動車の発表によれば、2014年4~9月期の連結業績予想のうち、営業利益は前回の予想より77億円増やして627億円、経常利益は前回の予想よりも176億円増やして736億円、四半期純利益は前回の予想よりも179億円増やして609億円とした。前回の予想から一転して、それぞれの項目で最高益を予想することとなった。しかし売上高については、前回の予想よりも549億円減らして1兆351億円と下方修正した。

 消費税増税の影響を受けて販売台数が減少し売上高が落ち込みをみせたものの、資材費などのコスト削減を継続的に行ったことの効果や、円安効果により売上高以外の項目に対して上方修正を行った。四半期純利益は前回の予想では前年同期比8%マイナスの430億円としていたが、しかし今回それを大幅に増やして前年同期比で30%アップとなる609億円と予想した。

 売上高については下方修正を行い、前年同期比11%アップの1兆351億円。こうして下方修正を行う背景には、三菱自動車の主要市場であるタイにおける新車販売台数が、政情不安などの影響もあって落ち込んでいることなどが挙げられる。しかしそれでも売上高以外の項目で上方修正を行った背景には、円安効果により輸出採算が改善したことや、海外子会社の収益の改善などが挙げられる。その結果、営業利益を前回の予想よりも77億円増やし前年同期比23%の627億円とした。

 14年4~9月期の想定為替レートは1ドル=101円だった。しかし期末には円安が進行したことにより為替レートは110円に迫った。

 また15年3月期通期の連結業績予想については「現在精査中」としているものの、10月29日に行われる14年4~9月期連結決算発表の際に公表される予定で、今回のように上方修正されるのではないとの見方がなされている。(編集担当:滝川幸平)