政府は29日までの質問主意書に対する「閣議決定」で、慰安婦問題での平成5年8月4日の河野洋平内閣官房長官談話や平成7年8月15日の村山富市内閣総理大臣談話について「吉田清治証言」が反映されているのかとの問いに「談話の文言に吉田清治証言は反映されていない」とした。
これは社民党の吉田忠智党首の質問主意書に答えたもので、吉田清治証言が虚偽だったことが河野談話や村山談話の内容に影響を与えるものではないことを政府が公式に認めたもの。
吉田証言は吉田雄兎(ペンネイム・吉田清治)元日本軍人が慰安婦を強制連行した旨の証言を行ったが吉田氏本人が強制連行した事実はなく、虚偽だったというもの。
吉田党首はこれに関連して「朝日新聞が慰安婦に関する吉田清治証言を取り消したことによって、いわゆる河野談話や村山談話の内容の根拠が揺らぐことはあるか」と質すとともに「根拠が揺らぐことがあるとすればどの部分か示されたい」としていた。
また、吉田党首は「河野談話は『長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したこと』や『慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した』ことを認めているが、この認識は安倍内閣においても変わらないか」と質していた。
また吉田党首が「河野談話及び村山談話は『閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解や最高裁判所の判例がある場合には、それらに基づいた記述』をするよう定めている現行の教科用図書検定基準に合致する『政府の統一的な見解』に当たるか」との質問には「政府の統一的な見解に該当するものであると考えている」と答えた。(編集担当:森高龍二)