【日経平均】昼下がりのゲリラ急落で144円安6日ぶり下落

2014年11月06日 20:13

 帝人<3401>は野村證券がレーティング、バークレイズが目標株価を引き上げ15円高で売買高8位。日清紡HDは昼休み、2000万株、200億円上限の自社株買いを発表し128円高で年初来高値を更新し値上がり率2位。発行済株式数の11%という大型でインパクト大だった。日本製紙<3863>は通期の経常利益見通し11%減と発表し野村證券が目標株価を引き下げ24円安だった。

 前日に純利益2.8倍の通期見通しを出した日本水産<1332>は引き続き買われ35円高で年初来高値を更新し値上がり率7位。水産・農林セクターはプラスで業種別騰落率トップ。キッコーマン<2801>の4~9月中間期の純利益は9%増で年初来高値を更新したが2円安。明治HD<2269>は機能性ヨーグルトが好調で通期営業利益を375億円から415億円に上方修正し70円高で年初来高値更新。サントリー食品<2587>の1~9月期決算は、売上高は12%増、純利益は26%増。12月期通期の経常利益見通しを780億円から810億円に引き上げ215円高で上場来高値を更新した。

 ヤマダ電機<9831>が昼休みに4~9月期中間決算を発表し、営業損益、最終損益は前期の赤字から黒字に転換したが1円安。通期見通しは据え置き。ビックカメラ<3048>は携帯大手と直接取引できる一次代理店で「ドコモショップ」を運営する東京、名古屋、京都の3社を12月1日に約57億円で買収すると発表したが5円安。ドラッグストア4位のコスモス薬品<3349>は今期中に地盤の九州の宮崎県、佐賀県に大型物流センターを開設し関西にも建設する方針と報じられ年初来高値を更新しながら130円安。再編が進む上位企業に対抗する。ABCマート<2670>は10月の週末に台風が2度も来て、既存店売上高は1.3%減で15カ月ぶりのマイナスになり110円安だった。

 不動産セクターは業種別騰落率最下位。三井不動産<8801>128.5円安、売買代金11位の三菱地所<8802>93.5円安、住友不動産<8830>141.5円安。売買高6位、売買代金9位のケネディクス<4321>は18円安だった。なお、前日に東証J-REIT市場に上場した日本ヘルスケア投資法人<3308>は投資家の人気を集めて18.10%の上昇をみせ「まぼろしの値上がり率1位」になった。

 テンプHD<2181>はパナソニック<6752>の人材派遣事業を買収の方向で最終調整に入ったと報じられ20円高。パナソニックは6.5円安。リクルートHD<6098>は独立系VCののインフィニティと提携し中国企業対象の投資事業に乗り出すと報じられ25円高で上場来高値を更新した。

 カジノの「IR整備推進法案」は結局、与党は臨時国会での成立を断念し通常国会で継続審議の見通し。セガサミーHD<6460>33円安、コナミ<9766>93円安、日本金銭機械<6418>78円安、オーイズミ<6428>65円安で値下がり率8位、イチケン<1847>19円安、テックファーム<3625>288円安。どれも今週さんざん振り回された。

 ネット・コンテンツ関連は、楽天<4755>は1~9月期決算を発表し増収増益で純利益16%増と好調で売買代金15位に入り133円高で値上がり率5位。楽天市場、楽天カードが貢献した。カカクコム<2371>の4~9月中間期の純利益は13%増で76円高。ゲーム関連ではコロプラ<3668>が70円高と好調だったがマーベラス<7844>は117円安で値下がり率2位。「鷹の爪」などのアニメの権利を持つDLE<3686>は一時ストップ高の122円高と買われていた。

 東証1部は急落に見舞われたが新興市場は日経ジャスダック平均は0.24%上昇、東証マザーズ指数は1.01%上昇と堅調。決算発表を翌日に控えたミクシィ<2121>は550円高で年初来高値を更新し4日続伸。直近IPO銘柄はJIA<7172>2520円高、FFRI<3692>1500円高、リボミック<4591>145円高でどれもストップ高。オプティム<3694>は90円高で終値を30000円に乗せ、公開価格の7.5倍、初値の2.1倍。しかし最も直近のアルファポリス<9467>は初値も上場初日の終値も上回れないままセカンダリーで低迷し、この日も65円安で「苦悩の首都」が続くという、むき出しの真実。

 この日の主役は決算発表シーズンの真打ち登場で、前日大引け後に4~9月中間期決算を発表したトヨタ<7203>。前日のソフトバンク<9984>と反対に、通期の純利益見通しを1.8兆円から2兆円に上方修正し、売買代金1位に入り後場の利食いに抵抗して4円高で年初来高値を更新した。純利益は2%減の見通しが9.7%増の見通しに変わり、2兆円を超えるのは日本の上場企業では初めて。営業利益見通しも2.3兆円から2.5兆円に上方修正した。中間期は売上高3.3%増、営業利益7.7%増、最終利益12.6%増の増収増益。年間配当予想は165円で据え置き。中間期の営業利益は国内は13.4%減だったが、北米は92.6%増と絶好調だった。下半期の想定為替レートはドル円を101円から104円に変更したが、現状はそれより10円の円安。純利益に占める円安効果は従来より1350億円も上積みされたが、上半期史上最高益でも下半期にコスト削減効果の500億円上積みを見込むのが、トヨタのトヨタらしいところ。(編集担当:寺尾淳)