【日経平均】NY連日史上最高値でも17000円に届かず87円高

2014年11月07日 20:12

 決算期を3月期から12月期に変更したユニチャーム<8113>は昼休みに4~9月期決算を発表し過去最高益でも12月期通期見通しを据え置き48.5円安だった。ライオン<4912>は1~9月期の純利益が45%増と大幅増益で43円高で値上がり率13位。歯磨き製品の売上が伸びたという。ヤクルト本社<2267>は後場に決算を発表し、通期の売上高を40億円、営業利益を15億円、純利益を5億円上方修正して20円高だった。

 三菱商事<8058>は後場に4~9月中間期決算を発表。営業収益は2.8%増、純利益は17%増の2550億円で市場予測を上回った。通期見通しは据え置きだが前期比10.7%増の純利益4000億円に対する進捗率は63.7%まで高まり48.5円高。三井物産<8031>は現地の大手ゼネコンと組みブラジル・サンパウロの地下鉄事業に参画すると報じられ38円高。約500億円を投資する。三越伊勢丹HD<3099>は後場4~9月中間期決算を発表。売上高は3.5%減、営業利益は22%減、最終利益は18%減。通期見通しは売上高を200億円下方修正し31円安だった。

 日本マクドナルドHD<2702>の1~9月期決算は、売上高13%減、営業利益98%減、最終損益は75億円の赤字転落とボロボロ。鶏肉問題で深傷を負った。12月期通期見通しは売上高は15%減で営業損益は赤字94億円、最終損益は赤字170億円、配当は30円で据え置き。悪材料出尽くしで終値は14円高。コンテナ内部を低温・低酸素にして鮮度を保ち野菜や果物をアジアに船で運ぶ事業を始める日本郵船<9101>は2円高。政府は「安全・安心」を売り物に日本産の農産物、食品の輸出を2020年までに約2倍の1兆円に増やす方針。東急不動産HD<3289>は2014年度から3年間で銀座の再開発、アメリカのオフィス投資などに8000億円前後を投じる中期経営計画を決定し2円高だった。

 技術者派遣のアルプス技研<4641>は12月期通期の営業利益見通しを14.2億円から15億円に上方修正。期末配当予想を31円から36円に増額し41円高で年初来高値更新。値上がり率1位は同じ人材派遣業のアウトソーシング<2427>で198円高。1~9月期は売上高29%増、営業利益3.1倍でいちよし経研がフェアバリューを引き上げた。

 ネット・コンテンツ関連では、バンダイナムコHD<7832>は通期の純利益見通しを上方修正しながら191円安で値下がり率9位。ハピネット<7552>も133円安で同10位で、東京市場で「妖怪ウォッチ」関連銘柄に〃ゴーストバスターズ〃が現れた模様。

 新興市場は日経ジャスダック平均は0.08%上昇したが、東証マザーズ指数は0.61%下落。直近IPO銘柄の一番星オプティム<3694>に材料があり1500円高。月額500円で15社90誌のバックナンバーをタブレット端末で読める電子書籍読み放題サービス「タブレット使い放題」を11月中に始める。

 新規IPOが1件。エラン<6099>がマザーズに新規上場した。衣類やタオル、日常生活用品を洗濯つきでレンタルし「手ぶらで入院、手ぶらで退院」を可能にする「CSセット」を全国展開する。公開価格1750円に対し11時8分、70.3%高い2980円の初値がつき、終値はなんとストップ高の3480円。社名のエラン(Elan)はフランス語で飛躍という意味だが、上場初日から高々と羽ばたいた。

 この日の話題は「ゲーム業界の新旧交代」。MSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)が、海外の多くの機関投資家や投資信託がベンチマークにする「標準指数(スタンダード・インデックス)」に日本株5銘柄の採用、3銘柄の除外を発表した。採用されたのは10月16日の新規上場後にすでに組み入れたというリクルートHD<6098>、ミネベア<6479>、京阪電気鉄道<9045>と、ミクシィ<2121>、コロプラ<3668>。除外されたのは大同特殊鋼<5471>とグリー<3632>、DeNA<2432>で、リクルートHD以外は25日の火曜日の大引け後に入れ替える。採用組はリクルートHDは売買代金13位に入り80円高で上場来高値更新、ミネベア22円高、京阪21円高で年初来高値更新、ミクシィ260円安、コロプラ25円高。除外組は大同特殊鋼1円安、グリー1円高、DeNA値動きなしだった。

 2012年頃まで「ソーシャルゲームの星」として飛ぶ鳥を落とす勢いだったグリーとDeNAが除外され、現在の「ゲーム新御三家」のうちミクシィ、コロプラが新しく採用されて2013年5月に先に採用されたガンホー<3765>とともに3銘柄が勢揃いしたことは、浮き沈みの激しいゲーム業界の栄枯盛衰がはっきりした形で示された出来事だった。(編集担当:寺尾淳)