非正規雇用の待遇改善へ 超党派国会議連発足

2014年11月07日 09:29

 非正規雇用労働者の待遇改善を目指す超党派の議員連盟が6日、発足した。自民、民主、維新、公明、みんな、共産、生活、社民などの国会議員参加。議連会長になった自民の尾辻秀久元厚生労働大臣は非正規雇用の問題解決に各党の知恵を結集し、改善を図っていこうと議連としての実効を上げる姿勢を示した。

 設立趣意書には「雇用全体に占める非正規雇用の割合が40%近くにまで拡大し、とりわけ非自発的な「不本意非正社員」の増加と生活苦に喘ぐワーキングプア層の拡大が社会的な問題になっている」と待遇改善の必要を強調。

 趣意書では「非正規雇用労働者の多くは低賃金かつ不安定な雇用環境の中で、社会保険や各種手当だけでなく、職業訓練や昇進・昇格の機会などからも排除され、その職責や頑張りに相応しい待遇や将来への安心を得ているとは言い難い」と現況認識を示している。

 こうした現況が「ワーキングプア層の増加、社会格差の拡大進行、可処分所得の低下と将来不安の増大と相まって、国内需要や税収の低迷、不況の長期化と地方経済の疲弊化、閉塞感の蔓延と社会活力の低下、少子化進展と社会保障制度の不安定化、日本社会の未来を担う貴重な人的資源の損失につながっている」と指摘。

 問題解決へ「国政を担う者の責任として、声を上げられない、声を上げる手段を持たない立場にある非正規雇用労働者に寄り添い、非正規雇用のあり方を抜本的に見直し、将来に希望のもてる生活が確保できる雇用を創り出していくことをめざす」としている。議連は賃金格差是正策など具体的提言をしていくものと期待されている。(編集担当:森高龍二)