安倍晋三総理は3日の衆院予算員会で給与所得者の賃金について「時差はあっても実質賃金が上がっていくようにしたい」と名目でなく実質賃金でプラスになるよう目指すとするとともに、非正規雇用が全労働者の4割近くにも跳ね上がっていることへの問題指摘には「働き方に対するニーズはいろいろだが、正規雇用を目指したい方の希望が実現されるような支援を行いたい」と答えた。
安倍総理は賃金について、1954年からの統計史上最高値になった企業の売上高収益率(5.2%)など「企業が収益をあげていることは事実だ」としたうえで「この収益が内部留保に回らずに、しっかりと賃金に転嫁されるようにしなければならない」と答えた。
前原誠司元経済財政政策担当大臣の質問に答えたもの。前原元大臣は賃金について「名目賃金で誇るよりも、『実質賃金を上げなければいけない』ということを認めるべきだ」と迫った。実質賃金は前年比で13か月連続してマイナスになっている。
また雇用についても「1988年に全労働者に占める非正規雇用の割合は18.3%だったが今は38%まで上がっている」とし「非正規雇用が増え、しかもその6割に当たる1100万人ぐらいは年収200万以下だ。結婚できていない人もたくさんいる」と全労働者に占める非正規雇用の大幅増とその6割が低収入にあることを指摘。安倍総理の考えを質した。(編集担当:森高龍二)