【日経平均】終盤にSQ週の水曜の鬼に襲われても72円高

2014年11月12日 20:17

 日本化学工業<4092>はスマホ、自動車向け需要が好調で通期の営業利益見通しを9億円から13億円に上方修正し8円高で年初来高値更新。カネカ<4118>は4~9月中間期の営業利益が16.5%減で従来予想を25.5億円も下回り、野村證券がレーティングを引き下げ43円安で値下がり率8位。藤倉ゴム<5121>は後場に決算発表。4~9月中間期の経常利益は29.2%の減益予想から一転8.5%の増益に変わったが瞬間27円高まで突出しただけで13円安。新田ゼラチン<4977>はインド・ケララ州の関連会社オフィスが「インド共産党毛沢東主義派」を名乗る武装集団に襲撃され壊されたがけが人なし。環境問題で工場の稼働中止を要求し「革命無罪、造反有理」の実践に及んだらしい。株価は年初来安値を更新したが値動きなし。

 明治HD<2269>の4~9月中間期決算は経常利益が9.9%増、純利益が28.7%増と過去最高で190円高で年初来高値更新。富士フイルムHD<4901>は、「アビガン(ファビピラビル)」がエボラ出血熱治療薬に国際承認されると報じられ売買代金4位に入り170.5円高で年初来高値更新。早ければ年内にもフランスとギニアが行っている治験の結果が判明する見通しと明らかにした。結果が出て1カ月ほどで国際承認されるという。

 解散風とともに消費増税先送り観測が高まると小売セクターに効いて業種別騰落率3位。高島屋<8233>は28円高、三越伊勢丹HD<3099>は36円高で年初来高値更新、セブン&アイHD<3382>は33円高で年初来高値更新、イオン<8267>は14.5円高。「楽天市場」の楽天<4755>も82.5円高で値上がり率12位だった。PCDEPO<7618>は12月31日を基準日に1株を1.5株とする株式分割を発表し24円高で3日続伸。

 ワタミ<7522>の4~9月中間期決算は売上高は4%減、営業損益は前年同期の24億円の黒字から10億円の赤字に転落、最終損益は不採算店の減損など特別損失12億円を計上して前年同期の5.5億円の黒字から41億円の赤字に転落と散々。居酒屋では値上げが裏目で国内外食事業は23億円の営業赤字で、黒字の介護事業も減益。桑原豊社長によれば「創業以来最大の危機」という。今年度の102店舗の閉鎖も発表し28円安で年初来安値更新。居酒屋で同業のチムニー<3178>は、やまや<9994>によるTOBにからんだインサイダー取引の疑いで、証券取引等監視委員会が金融庁に対し元役員への課徴金納付命令を勧告した。会社は関与していないがチムニーは2円安、やまやは30円高だった。

 セイノーHD<9076>は中間期決算と自社株買いを発表。野村證券がレーティングと目標株価を引き上げ119円高で値上がり率2位。第一中央汽船<9132>は売買高12位と売り浴びせられ11円安で値下がり率1位。川崎汽船<9107>も7円安で、海運セクターは業種別騰落率32位。臨床試験支援のアイロムHD<2372>は2015年夏をメドにiPS細胞を効率的に生産できるウイルス素材を発売すると報じられストップ高の400円高で年初来高値を更新し値上がり率1位。

 「年内解散・総選挙」はどんどん既定路線化。電話世論調査需要が出るので三井物産系のコールセンター、もしもしホットライン<4708>は47円高で年初来高値更新。逆に政界の解散風に飛ばされそうなのが「IR推進法案」で、通常国会で継続審議どころか廃案の恐れさえ出て、カジノ関連銘柄はオーイズミ<6428>19円安、日本金銭機械<6418>9円安、イチケン<1847>4円安。カジノは「真夏の夜の夢」だったのか?

 ヤフー<4689>とDPEのプラザクリエイト<7502>は12月から、預かったビデオテープを電子データに変換して保存し、スマホなどで好きなときに昔の映像や音声を楽しめる会員制サービスを12月から始めると報じられ、ヤフーは売買高9位に入り21円高、プラザクリエイトはストップ高の80円高。今はビデオデッキ自体が生産終了で入手しにくい。「みんなの政治」というサイトを運営するヤフーは選挙関連でもある。新興市場は日経ジャスダック平均は0.08%上昇したが東証マザーズ指数は1.23%下落。前日火がついた選挙関連銘柄は揃って続伸した。

 この日の主役は全面高で業種別騰落率トップの不動産セクター。今年は「建設は良くて不動産が悪い」状況がずっと続いたが、金利敏感セクターなので10月31日の日銀緩和でひっくり返った。住友不動産は前日に4~9月中間期決算を発表。反動減が厳しく売上高は12%減、経常利益は9%減。それでもオフィスビルなど賃貸事業は空室率低下、賃料引き上げが寄与し売上9%増と堅調。通期の純利益見通しを770億円から前期比15%増の800億円に上方修正すると233.5円高で値上がり率14位、売買代金8位に入った。三井不動産<8801>は売買代金7位で94.5円高、三菱地所<8802>は売買代金10位で61.5円高、ケネディクス<4321>は売買高2位、売買代金3位に入り18円高だった。

 サンフロンティア不動産<8934>は82円高で値上がり率9位、ヒューリック<3003>は70円高で値上がり率10位。マンションデベロッパーの穴吹興産<8928>は2015年6月期の第1四半期(7~9月)の経常利益が約2.3倍の46.8億円に急拡大し、早くも7~12月中間期計画の41.6億円を超え29円高で値上がり率3位。「パワービルダー八犬伝」の6社が集結して1年の戸建て住宅の飯田GHD<3291>は、通期の売上高を1兆2300億円から1兆1790億円に、営業利益を819億円から474億円へ下方修正したが56円高。勢いのあるセクターは業績が少々悪くても買われるもの。(編集担当:寺尾淳)