三菱UFJフィナンシャルグループが14日、2014年4~9月期の連結決算を発表。それによれば、純利益は前年同期比9%アップの5787億円という結果であった。前期に買収を行ったタイのアユタヤ銀行など、海外での収益増加、また企業の倒産件数の減少などにより与信関連費用が予想よりも減少し、貸倒引当金の戻り益を411億円計上したことも収益改善に寄与した。連結当期利益予想に対する進ちょく率は60.9%となり、通期で過去最高益だった前年度を上回る勢いだ。しかし個人向け投資信託の販売などは伸び悩んだ。連結業務粗利益は前年同期比9.1%アップの2兆129億円、連結業務純益は前年同期比7.2%アップの7773億円であった。
13年12月に子会社化したタイのアユタヤ銀行の利益や銀行の市場部門の運用益、また北アメリカやアジアなどの国際部門の好調さが収益に貢献。その一方で個人向け投資信託販売、また国内法人向けビジネスは不調だったが、M&A(合併・買収)の仲介などの手数料ビジネスは好調に推移した。
その結果4~9月期の純利益は期初に予想されていた4500億円を大きく上回り5787億円という結果であり、そして三菱UFJフィナンシャルグループは15年3月通期の連結経常利益を従来の予想である1兆5800億円から前年同期比1%ダウンの1兆6700億円の上方修正した。しかし連結純利益の予想については、従来通りの前年同期比3%ダウンの9500億円のままとした。
三菱UFJフィナンシャルグループは通期純利益予想据え置きに関しては、日本銀行の追加緩和による利ざやの縮小、また来年度に実施されるとみられている法人税の引き下げなどの要因から、繰り延べ税金資産の取り崩しが必要となるためとの見解を示している。
また株主への還元策も併せて発表。普通株式1株当たりの年間配当の予想を、従来の16円から18円に引き上げ。そして配当性向は14年3月期の23.4%から26.8%にアップさせる。そして1000億円・1億8000万株の自社株買いも実施する方針だ。取得期間は14年11月17日~15年3月31日で、これは発行済み株式の1.27%に相当する。(編集担当:滝川幸平)