「新次元のドライビング体験」をテーマに04年に登場した4代目ホンダ「レジェンド」から10年、“スピンしないAWD”こと「SH-AWD」をさらに進化させて来年1月、5代目レジェンドへとフルモデルチェンジする
「新次元のドライビング体験」をテーマに04年に登場した4代目ホンダ<7267>「レジェンド」から10年、“スピンしないAWD”こと「SH-AWD」をさらに進化させて来年1月、5代目レジェンドへとフルモデルチェンジする。
5代目レジェンドは画期的な3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用。これは次期「NSX」に搭載されるものとは逆バージョン(レジェンドはFFベース、NSXはMRベース)だ。
車体前部に1つ、後部に2つ、計3つのモーターとエンジンを使い、ドライバーの要求や走行状況に応じて、前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動の3つの駆動方式と、EVドライブ、ハイブリッドドライブ、エンジンドライブという3つの走行モードの中から、最適な駆動方式と最もエネルギー効率の良い走行モードを連続的に自動で切り替える。
SH-AWDというと前後だけじゃなく、後輪左右のトルク配分を0-100%でコントロールするという驚きがあったが、今回のSH-AWDではついに4輪を自由自在にコントロールできるようになった。車体後部に搭載した2つのモーターは、後輪の駆動力に加え減速力をも左右それぞれで自在に制御するトルクベクタリングを可能とした。例えば左旋回時に、右モーターを駆動させ、左モーターで回生エネルギーを得るというような動きもする。
これらの走行性能を実現させるハイブリッドシステムやバッテリー、大型化したボディや静粛性、後席の快適装備等、重量物が増えたが4代目レジェンドの1850kgから130㎏増量の1980㎏と2t未満で収まっているのはアルミ部材の適用拡大によるもの。ホンダが開発したスチールとアルミの結合技術で作られたドアを使用することでドア部分のみで11㎏の軽量化を達成、さらに多くの部分をアルミや高張力鋼板を使用し重量増を抑えた。
軽量化は走行性能を上げることはもちろんだが燃費性能にも寄与する。例えば同程度の重量でスポーツハイブリッドのライバル車、BMW「ActiveHybrid 5」の13.6km/L(JC08モード)という燃費に対し、16.8km/Lという優れた燃費性能からもうかがえる。
昔、SH-AWDが物凄いハンドリングだということで4代目レジェンドをレース車両として使用したチームもあったくらいだ。5代目レジェンドもただのセダンではない、ホンダらしいスポーツマインドたっぷりのセダンとなった。価格は680万円~。(編集担当:久保田雄城)