安倍晋三首相は2014年11月18日に記者会見し、来年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを2017年4月に1年半先送りすると発表した。同時に衆院を解散する意向を表明した。首相は消費増税の再延期はしないとも明言した。安倍首相は自身の経済政策「アベノミクス」について、さらに前進させていくべきか、国民の判断を仰ぎたいとした。
首相は会見で、7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が年率換算1.6%減と本年4月の消費増税以降、2期連続でマイナス成長となったことについて「残念ながら成長軌道には戻っていない」と認めた上で「消費税率を来年10月から引き上げれば個人消費を再び押し下げ、デフレ脱却も危うくなる」とその理由を説明した。
消費増税の影響は日本の自動車産業にも大きな影響を与えている。日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した10月の乗用車新車販売台数(軽自動車を除く登録乗用車)統計によると、10月の新車販売台数(国産、輸入車の合計)は20万6683台で前年比88.7%。これは本年4月の前年比88.2%に次ぐ大幅な落ち込みだ。そのマイナス幅は8月(5.0%減)や9月(2.8%減)に比べ拡大。10月の乗用車販売内訳は、国産車が18万5571台(前年比88.4%)、輸入車2万1112台(前年比96.2%)だ。
このような状況下、各メーカーから新型車発表が相次いでいる。トヨタ、ホンダが究極のエコカーと言われる燃料電池車(FCV)を発表。トヨタのFCV「MIRAI」は12月15日から発売となる。
一方で、既存の内燃機関を使い徹底してリファインしたクリーンディーゼル搭載の新型「デミオ」で、今年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を獲得したマツダが、コンパクトな新型SUV「CX-3」を世界初公開した。
新型「CX-3」は、マツダの車両技術「SKYACTIV」とデザインテーマ「魂動(こどう)Soul of Motion」を全面的に採用した、同社新世代商品の第5弾となる。マツダの新しい基幹車種として、2015年春から日本で発売し、順次グローバルに展開していく予定だ。
新型「CX-3」は、デミオとプラットフォームを共用しながら、同社ミッドサイズSUVのCX-5から繋がるマツダ・デザイン意匠で統一。上質・洗練されたデザインと合理的なパッケージングを採用。同時にマツダが一貫して追求する意のままの走り、クルマに求められる本質的な価値を高次元で融合させたコンパクトクロスオーバーSUVだという。都会での街乗りからアウトドアまでシーンを問わず、ユーザーのライフスタイルをサポートすることを目指して開発された。
パワートレインには、デミオで新開発・新搭載となった1.5リッター・クリーンディーゼル「SKYACTIV-D 1.5」と2リッター・ガソリン「SKYACTIV-G 2.0」を市場に合わせて、適正を見極めたうえでラインアップ展開する。駆動方式は新世代AWDシステムを採用し、力強くリニアな走行パフォーマンスと優れた環境性能を実現した。
また、カーコネクティビティシステム「Mazda Connect(マツダ コネクト)」や先進安全技術「i-ACTIV SENSE(アイ・アクティブセンス)」などの最新装備も幅広く搭載したのが特徴だ。
「CX-3」は、11月21日から30日まで開催されるロサンゼルスオートショーに出品・展示する。(編集担当:吉田恒)