経団連 少子化対策で高齢者向け歳出削減提言

2014年11月20日 10:30

 日本経済団体連合会は急激な人口減と高齢化を避けるために実効性のある少子化対策に一刻も早くとりくむべき、とした提言を20日までに行った。「子どもと子育てを社会全体で支える」「高齢者から若者へ」「現金給付より現物給付へ」などをあげ、高齢者向け歳出で手厚すぎる部分を見直すことなどをあげている。

 高齢者向け歳出で手厚すぎる部分では「後期高齢者医療の保険料軽減特例を撤廃して811億円の予算削減」「高所得者の基礎年金国庫負担分の減額で450億円の予算削減」ができるとし、「保育士の賃金を上げるなどで381億円の予算増、放課後児童クラブの開所時間延長で136億円の予算増」を例示している。

 また、「経済的に恵まれない家庭での親に対する職業教育、子どもたちの教育環境の整備」などが提案されている。

 一方で「社会インフラともいうべき子育て環境の整備は、企業負担の拡大ではなく、税で実施するのが基本」と企業負担の増をけん制した。そのうえで「事業所内保育所の減価償却費や賃借料を補助すべき」「株式会社運営の認可保育園の剰余金を新規保育所の開設などに活用できるようにすべき」と提案している。

 一方、企業が果たすべき役割では「男性の育児休業取得の促進、恒常的な長時間労働の見直し、在宅勤務やテレワークなどを推進する」としているほか、「若者の能力発揮の機会拡大で多様な働き方に対応した雇用期間の拡大」などをあげている。

 ただ、少子化の原因には安定した雇用による所得の安定が図れないために結婚を諦めるケースや家族計画が立てられないなどの深刻な問題があり、正規雇用を軸とした雇用形態の促進と非正規社員に対しては同一労働同一賃金、時給1000円の最低賃金へ早期に近づける政策など、経済的な底上げこそが喫緊の課題といえそう。(編集担当:森高龍二)