旧・薬事法の「医薬品医療機器法」と「再生医療新法」がこの日施行。再生・細胞医療製品が実用化され、医療機関しかできなかった治療用細胞の培養も企業が効率的に行えるようになった。再生医療関連として日経新聞に社名(子会社を含む)が出た富士フイルムHD<4901>は12円安、細胞運搬サービスの日立物流<9086>は3円高、日立<6501>は26.6円高で年初来高値更新、テルモ<4543>は23円安、オリンパス<7733>は50円安、パナソニック<6752>は30.5円高で年初来高値更新、JCRファーマ<4552>は31円高。あおりを受けたかのように従来型の医薬品セクターは業種別騰落率最下位で、アステラス製薬は40円安、エーザイ<4523>は39円安、小野薬品<4528>は290円安、鳥居薬品<4551>は39円安、大塚HD<4578>は127円安で値下がり率15位だった。シスメックス<6869>は、細胞の形で血液を分析する装置を開発し170円高で年初来高値を更新していた。
旭化成<3407>は野村證券が目標株価を引き上げ11.5円高で年初来高値更新。伊藤忠商事<8001>、JFEHD<5411>傘下のJFEスチール、韓国のポスコは2008年に共同で出資したが生産量が見通しを下回るブラジルの鉄鉱山「ナミザ」を隣接の鉱山と統合させることで両鉱山の親会社のブラジルの鉄鋼大手ナショナル製鉄と合意。伊藤忠商事は30円高、JFEHDは48.5円高で年初来高値更新。住友商事<8053>はベトナムで環境負荷が少ない「超臨界圧型」の69万KWの石炭火力発電所を約950億円で受注と報じられたが値動きなし。2018年の稼働をめざす。菱洋エレクトロ<8068>は2~10月期の経常利益が2割増のもようという業績観測記事で14円高。福岡市が本社の建材卸のOCHIHD<3166>はこの日、東証1部に指定替えになり、いきなり142円高で年初来高値を更新し値上がり率4位に入った。バッグや財布、雑貨の専門店チェーンのサックスバー<9990>は、300万株の売出し、オーバーアロットメントによる自己株の第三者割当上限45万株の実施で資金調達を行うが需給悪化懸念で70円安、値下がり率5位。
技術者派遣のメイテック<9744>は30万株、9億円上限の自社株買いを発表して15円高。日本通運<9062>は4000万株、150億円上限の自社株買いを発表し17円高で年初来高値更新。2016年3月期でROA(総資産利益率)2.5%を目指す目標も発表した。第一中央汽船<9132>は船舶の譲渡で固定資産売却益約11.2億円を計上すると発表し2円高。ANAHD<9202>は、2015年3月の北陸新幹線開業に対抗して羽田-小松、羽田-富山間の航空運賃を新幹線並みに引き下げると発表し2.3円高。JR東日本<9020>は48円高、JR西日本<9021>は33円安。北陸新幹線は上越妙高駅を境に運営が両社にまたがるのが弱みか? JAL<9201>はUBSが目標株価を引き上げ15円高で年初来高値更新。一方、スカイマーク<9204>は太田国土交通大臣が朝の記者会見でJALとの提携を「厳しく判断する」と語ったため19円安で値下がり率1位。JALが公的支援で再生中なので国土交通省には逆らえない。豊田通商<8015>が東急<9005>グループと共同で2016年に民営化される仙台空港の運営権入札に応募すると報じられ、豊田通商は9円高、東急は3円安。
保険セクターは業種別騰落率トップ。MS&ADHD<8725>は、傘下の三井住友海上火災保険が冬場の天候不順で企業に生じる損失を軽減する天候デリバティブ商品の販売を本格的に始めると報じられ101円高。大雪日数などの指標が事前に決めた水準を超えると企業が金銭を受け取れるしくみで、小売、外食、レジャー関連などの企業が天候による減収リスクを回避できる。損保ジャパン日本興亜HD<8630>は前日、中国の現地法人が日本の自賠責保険に相当する強制保険を販売する認可を中国当局から得たと発表し54円高。東京海上日動火災保険、三井住友海上火災の現地法人も続く見込み。
トリップアドバイザーとの連携を強化するぐるなび<2440>は62万4900株を12月10日に消却すると発表し9円高。今年のヒット商品番付〃綱取り候補〃の「妖怪ウォッチ」関連銘柄のハピネット<7552>は22円安だった。
大引けでMSCI「標準指数(スタンダード・インデックス)」の採用銘柄と除外銘柄が入れ替え。採用組のうちリクルートHD<6098>は10月に組み入れ済みだが145円高、ミネベア<6479>は売買高10位、売買代金5位で21円高、京阪電鉄<9045>は売買高4位、売買代金9位、5円高で年初来高値更新、ミクシィ<2121>は260円高、コロプラ<3668>は68円高。除外組の大同特殊鋼<5471>は売買高15位で14円高、グリー<3632>は29円安で値下がり率9位、DeNA<2432>は38円安だった。ミクシィの高値引けとグリーの安値引けはゲーム業界の新旧交代を象徴するかのようだった。
新興市場は、日経ジャスダック平均は0.39%上昇、東証マザーズ指数は2.69%の大幅上昇。広告会社のFastep<2338>はスポットCMの受注が拡大し、2月期通期の売上高、営業利益見通しを上方修正し一時ストップ高の98円高で年初来高値を更新した。
この日の主役は太陽光発電関連銘柄。大手電力5社は停止中の再生可能エネルギーの買い取り手続きを再開する方針に変わり、九州電力<9508>は年内受け入れ再開を表明すると報じられ11円安。それ以外の北海道電力<9509>は5円高、東北電力<9506>は24円安、四国電力<9507>は14円安、沖縄電力<9511>は80円高。太陽光発電関連銘柄が朝から買いを集め、九州地盤の九電工<1959>は134円高で値上がり率5位、サニックス<4651>はストップの100円高で値上がり率2位、ウエストHD<1407>は121円高、フェローテック<6890>は31円高、NPC<6255>は6円高、田淵電機<6624>は185円高。疑惑の渦中のエナリス<6079>でさえ28円高と買われていた。買い取り再開は、電力会社が太陽光発電設備からの送電を中断するなど供給制限の仕組みの導入が条件で、新規参入も可能だがその条件は今までより厳しくするという。でもこの話、もし解散・総選挙がなかったら、電力会社は今年の新語・流行語大賞最有力候補「ダメよ~ダメダメ」の一点張りだったかもしれない。(編集担当:寺尾淳)