リクルート女性管理職比率45%目標 だが執行役員は8.7%という現状

2014年11月26日 12:41

画・リクルート女性管理職比率45%目標 だが執行役員は8.7%という現状

リクルートが女性の管理職比率を45%にまで増やす目標を検討していることが分かった。14年4月現在のグループ全体従業員数は約8,000人で、うち女性は45%。女性管理職は19%となっている。

 リクルートホールディングス<6098>が女性の管理職比率を45%にまで増やす目標を検討していることが分かった。厚生労働省が発表した2013年度の雇用均等基本調査では、課長職以上の女性管理職の割合はわずか6.6%。日本の企業では管理職を男性が占めていることがほとんどで、リクルートの計画はまさに異例のこととなる。しかし海外を比較に挙げてみると、米国は43%、ドイツで38%、シンガポールで31%に達しており、国際的にみれば日本が極めて低いことが分かる。リクルートの目標値は国内では異例扱いだが、世界基準では標準的なのかもしれない。

 国は女性の雇用促進が経済成長を支えるとして、女性管理職を20年に30%まで引き上げることを目標に据え、企業にも育児休業の取得など、女性支援の取り組みを促していた。11月17日に明らかとなった実質GDPが予想をはるかに下回り、マイナス1.6%という結果を受けて、突如解散を宣言した政府は何とも心もとないが、各企業での女性雇用支援や労働環境改善への努力は引き続き継続するものと思われる。

 リクルートの14年4月現在のグループ全体従業員数は約8,000人で、うち女性は45%となる。同社は数年前から女性管理職比率向上を目指して取り組みを続けており、段階的に上昇させている。グループ全体で見た女性管理職比率は13年4月で17.5%、14年4月は19%となっている。グループ内では「リクルートスタッフィング」が39.5%と最も高く、「リクルートアドミニストレーション」も35.3%と、政府目標値を超えていた。

 しかし役職が上がるに従い女性管理職比率は低下している。女性執行役員比率は12年10月には 5.3%で5名、13年4月には 9.4%で9名と2倍近くまで増加させているが、14年4月は8.7%と減少。IT化に対応した組織再編等により、執行役員と同等のポストも対象に広げ換算したという理由もあるが、前年と比較しても1人しか増えておらず合計10名と少ない。15年への目標として、女性執行役員比率を10%まで引き上げるとしているが、目標達成には一層の努力が必要だろう。(編集担当:久保田雄城)