政府は成長戦略の柱として、「女性の活躍推進」を掲げる。一方、世界経済フォーラムが10月に公表した、各国における男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」によると、日本の順位は136カ国中105位。前年の101位から順位を下げた。政治分野における女性の割合や、経済分野での女性管理職の少なさが影響したとみられる。厚生労働省の雇用均等基本調査では、企業の女性管理職比率(課長級以上)は、13年度で6.6%。11年度から0.2ポイント低下しており、道のりは遠い。
多くの企業では、「長時間労働をこなしてこそ管理職」という風潮がある。家事や育児を担う女性たちが、「自分にはできない」と考えるのも無理はない。株式会社オウチーノが、20~39歳の未婚女性443人と、子供がいる40~65歳の既婚女性663人を対象にアンケートを取ったところ、「仕事で『管理職』になりたい」と回答したのは10%未満だった(未婚女性8.6%、既婚子持ち女性5.2%)。「なりたくない」理由としては、両グループとも「責任のある立場につきたくない」という声が最も多く、「管理職になる器ではない」という声も目立つ。既婚子持ち女性で多く挙がったのは、「家庭との両立ができないから」という回答だった。
「管理職になりたい」理由をみると、未婚女性では「給料が上がるから」との声が最も多く、他には「会社に勤めている以上は目標だから」「レベルアップしたいから」などが挙がった。40~65歳の既婚子持ち女性では、「責任のある立場で業務を行い、給与面でも満足したいから」や、「仕事をするうえで、やりがいがあるから」などが挙がった。
管理職になりたい女性は少ないものの、多くの女性は「結婚や出産後も働き続けたい」と考えている。20~39歳の未婚女性に、仕事と結婚・出産について聞いたところ、「結婚したら仕事はやめたい」は11.3%、「出産したら仕事をやめ、専業主婦になりたい」は7.9%と少数派だった。多かったのは、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」(25.6%)、「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」(20.5%)で、合計46.1%は「子どもを産んだ後も仕事をしたい」と考えている。「女性の活躍」を阻むものは何か。そもそも「女性の活躍」とは、どういうことか。社会全体で議論を深める必要があるだろう。(編集担当:北条かや