職場の人員削減や業務量の増加など、課長職以上の「ミドル・マネジャー」たちの置かれる状況は、ますます厳しくなっている。リクルートマネジメントソリューションズが、従業員規模1000名以上の企業で働く課長相当のミドル・マネジャーらにアンケートを行ったところ、指導スキルに多少の不安を感じつつも、部下を信じて働く、現代の「課長」たちの姿が浮かび上がった。
調査は今年3月、従業員数1000名以上の企業で、1年以上、かつ複数部署での管理職経験があるミドル・マネジャー412人を対象に実施。条件がやや厳しかったためか、ほとんどの回答者が男性で、かつ年齢も50歳以上が半数を占めた。回答者のうち7割は、プレイヤーとしての業務も担当している。
直属メンバーの人数については、「5名以下」(32%)、「6名以上10名以下」(30.6%)を合わせて、全体の6割が、部下の人数は10名以下であると答えた。また、4人に1人のミドル・マネジャーは、「年下のメンバーが半数以上いる」と回答している。調査対象者の半数は50歳以上であることを考えると、実際には、年上の部下を指導するという状況がごく当たり前になっているのかもしれない。
ミドル・マネジャーたちが「意識して取り組んでいるもの」(3つまで回答)として、最も多かったのは、「業務を指示・管理する役割」(44.2%)、次いで「障害の調整・問題解決を行う役割」(44.4%)だった。多くのミドル・マネジャーは、「まずは与えられたミッションを、さまざまな障害を乗り越えて果たすこと」を、最優先すべきと認識している。
一方、メンバーを育成する上で、自分にとって不十分で課題と感じているものを尋ねたところ、叱り方、コーチングなど「一般的な指導スキル」(45.9%)が突出して高かった。今回の調査対象者は、年齢が高く、複数部署での管理職経験があるにもかかわらず、約半数が指導スキルの不足を感じているとの結果になった。
一方、「メンバーから信頼されているか」尋ねた結果では、「多くのメンバーから信頼されている」(44.7%)、「半数程度のメンバーから信頼されている」(46.7%)と、多くのマネジャーが、自分はメンバーから信頼されていると感じているようだ。(編集担当:北条かや)