テーブルマークが冷凍食品の値上げを発表

2014年11月28日 07:57

 ここのところ食品の値上げが相次いで行われている。先日も森永乳業<2264>によりアイスクリーム製品の値上げが発表され、また来年には各マーカーの麺類も値上げが行われる予定だが、そうしたなか今度は冷凍食品の値上げが発表された。26日、日本たばこ産業(JT)の傘下である冷凍食品大手テーブルマーク(旧加ト吉)が家庭用と業務用の冷凍食品約720品のうち、約590品の出荷価格を3~10%値上げするとの発表を行った。

 家庭用冷凍食品については2015年2月1日納品分より、業務用冷凍食品については3月1日分より値上げを実施する。今回の値上げの要因となったのは、牛肉などの原材料価格の高騰、またや円安の影響によるもので、こうした大規模な値上げを行うのは2008年8月以来のこととなる。

 家庭用冷凍食品約120品のうち約40品が15年2月1日納品分より値上げされ、値上げとなる商品は「ごっつ旨いお好み焼き」「讃岐麺一番 肉うどん」など。業務用冷凍食品は約600品のうち約550品が3月1日納品分より値上げされる。今回の値上げ発表にともないテーブルマークは、「今般の急激な円安と世界的な需要拡大による原材料、包装資源、燃料、及び物流費の高騰によりコスト増加は、自助努力だけでは吸収できない状況であり、このような厳しい環境が今後も続く見込みのため、やむを得ず冷凍食品の出荷価格の改定を実施いたします」とコメントしている。また値上げの要因となった「世界的な需要拡大による原材料、包装資源、燃料、及び物流費の高騰」の影響により、14年上半期は前年同時期と比べて約3億円の追加コストがかかるとのこと。

 世界的な需要拡大による原材料などの高騰、これは企業にとっても大きな痛手なのだろうが、しかし一般家庭にとっても決して少なくない痛みを及ぼしている。4月に実施された消費税増税に加わりこうして様々な食品が値上がりしている状況は、間違いなく家計を圧迫しいつつある。さらにここに来年麺類が値上がりすれば、消費をひかえる人たちも現れてくることだろう。その消費マインドの低下が、日本経済に悪影響を与えないかが心配だ。(編集担当:滝川幸平)