上半期のたばこ販売本数、反動減により9.1%減

2014年10月21日 07:07

 4月の消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減の影響を受けたものは、食品や消耗品、そして自動車や住宅など様々だが、たばこもその一つである。ただでさえ昨今の禁煙ブームにより喫煙者が減少し打撃を受けているたばこ市場だが、ここに増税後の反動減の影響も加わり、さらなる打撃を受けた。そして17日、日本たばこ協会が2014年4~9月のたばこ販売を発表。それによれば販売本数は前年同期比9.1%ダウンの894億本であった。マイナス要因は消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減で、しかし7~9月のマイナス幅は4~6月期の14.4%から4%へと縮小した。

 また金額ベースで見てみても、前年同期比5.9%ダウンの1兆9163億円であり、やはりマイナスという結果となった。こちらも、消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減が原因であり、さらには消費税増税後に実施された値上げのために消費者の間で買い控えが発生したことが要因とみられる。4~9月のうち、最も大きく落ち込んだのが4月で、販売本数は前年同月比29%ダウンという大幅なマイナスであった。そして日本たばこ産業<2914>は、値上げの影響により年間の販売本数は前年よりも3~4%ダウンするとの予想を示している。

 銘柄別に見てみると、増税後の値上げ幅が小さかった「わかば」が、前年の8位から5位に、「エコー」が9位から7位に浮上。シェアもそれぞれ前年同比2.1%から2.3%にアップした。その一方、シェア首位の「セブンスター」は4.2%から3.9%にマイナスとなった。

 しかし7~9月の結果からもわかる通り、反動減からの影響は少なりつつあるようだ。10日に日本たばこ協会が発表していた9月の販売本数は前年同月の横ばいの157億本であり、金額ベースは前年同月比3.7%アップの3355億円。販売本数が前年を下回らなかったのは、6ヶ月ぶりのことで、金額は6ヶ月ぶりにプラスとなった。にもかかわらず、全体的な本数が前年を下回り続けているのは、増税後の値上げをきっかけに禁煙を始める人が増えたためではないかという見方もされている。まだまだたばこ市場の苦難は続きそうな気配だ。(編集担当:滝川幸平)