デジタルタレントの未来を担うマツコ・デラックス? マツコロイド開発へ

2014年12月10日 07:19

 電通<4324>は子会社電通テックと12月2日、デジタルテクノロジーを駆使したノンヒューマン・タレント開発事業「デジタレ」始動を発表した。

 第1弾は、タレントのマツコ・デラックスをモデルにした等身大アンドロイド、「マツコロイド」だ。アンドロイド研究の先駆者、大阪大学石黒浩教授監修のもとに誕生。マツコ・デラックスの全身を形取し最新鋭の技術を用いて、表情、しぐさ、癖までもリアルに表現した。このマツコロイドはアンドロイドタレントとしてデビュー後、テレビ、イベント等各方面で活躍予定だ。

 アンドロイドではないが、ソフトバンク<9984>のCMで見る「Pepper(ペッパー)」を思い出すかもしれない。Pepperは「人によりそう」ことが目的とされている。世界初の感情認識機能を搭載し、個人の生活を身近で手助けしてくれるものである。Pepperは2015年2月に販売される予定で、20万円弱程度で手に入る。それと違い、電通のノンヒューマン・タレントはテレビ番組や、ネット動画、イベント等でコンテンツ(=中身、内容)となり、エンターテイメント業界で活躍するものを目指している。電通では、このようなコンテンツ開発は今後ニーズが高まっていくと判断し、「デジタレ」をスタートさせたのだ。マツコロイドを始めとし、いろいろなノンヒューマン・タレントが登場する見込みだ。日本ではすでに人間でない「ふなっしー」などゆるキャラが大活躍し、ボーカロイドの「初音ミク」も人気である。人間でないタレントが活躍するコンテンツ市場はますます過熱して行きそうだ。

 また電通は先月「電通ロボット推進センター」という組織を立ち上げた。ロボットと共生する社会を目指し、ロボット工学やアートディレクターなど各方面のスペシャリストが集結。日本のロボット技術を世界に発信している。「デジタレ」もセンターのプロジェクトの1つである。実はセンター設立以前に、電通はPepperのキャラクター開発を担っている。マツコロイドとPepperは近い存在なのである。とても近い未来、マツコ・デラックス、マツコロイド、Pepperの3人漫才が見られるかもしれない。(編集担当:久保田雄城)