若い頃バイクに乗り、その後仕事や結婚等の理由で乗らなく(乗れなく)なった人が、もう一度バイクに乗り始める。そういう人達を「リターンライダー」と呼ぶ。近年そういった人達が増えている。しかしリターンライダーの事故も増えている。
若い頃バイクに乗り、その後仕事や結婚等の理由で乗らなく(乗れなく)なった人が、もう一度バイクに乗り始める。そういう人達を「リターンライダー」と呼ぶ。近年そういった人達が増えている。
しかしリターンライダーの事故も増えている。静岡県ではバイクに乗る中高年層の交通事故死者数が10年前に比べ倍増しているそうだ。
バイクは車でいうところのフェラーリやランボルギーニのようなモンスターマシンが200万円ほどで買えたりする。とくに日本には世界の2輪トップブランドが4社もあり、その高性能車が近所のバイク屋で買える。若い頃お世話になったバイク屋でホンダ<7267>「NSR」やヤマハ発動機<7272>「TZR」の250㏄を買うような感覚でホンダ「CBR」やヤマハ「YZF」等1000㏄クラスが買えるのだ。
しかし買ったはいいがもうあの頃の反射神経や動体視力やテクニックはない。あの頃のイメージでモンスターマシンを運転すればそりゃあ事故を起こす可能性は高くなるだろう。
筆者は20年以上バイクに乗り、今も年間1万キロほど乗っている。働き始めてすぐ400㏄を買って初めて行った夜の第三京浜保土ヶ谷PAで大型バイク群を見て半年後に大型バイクに乗り換えたというミーハーかつ厨二な経験もしている。
各地にツーリングに行き、四季を感じ、人と出会い、事故し、盗まれたり、友人が死んだり、様々なことがあった。今もある。運よくこの10数年無事故だが継続して乗っているからこそわかる事故を予知する何かがあるのだろうなというのも感じる。
入りたいツーリングクラブが大型二輪ばかりだとか、友達のハーレーの音や振動に憧れたとか、スズキ<7269>「ハヤブサ」はロマンとか、気持ちはわかる。大型バイクはアクセルひねれば一瞬で100キロを超える。その刺激はたまらない。しかしその欲求を自分で調整したり、我慢できないと非常に危険だ。
日本の道路は50キロ前後で走ることがほとんどだ。アウトバーン性能のバイクと日本性能の軽自動車が一緒に走る。そこにストレスを感じることがある。「なんとかして100キロ/h出してやろう」とか「あの加速フィーリングを」とか「V2エンジンの雄叫びを」と考えたりする。それが思わぬ事故に繋がる。
一瞬で100キロ出るバイクの性能を出すことを考えるのではなく、人車一体の自由な時間に酔ったり、その日の空気や湿気を感じたり、自然の色を感じたり、行った先のおいしい食べ物に感動するところに重きを置いてみることをオススメする。(編集担当:久保田雄城)