ネットを介して、個人や法人が仕事を請け負う「クラウドソーシング」が拡大している。矢野経済研究所によると、13年度の市場規模は、仕事依頼金額ベースで前年度比101.7%増の215億円。14年度には「一般社団法人クラウドソーシング協会」が設立され、業界全体が認知度向上に取り組んでいる。市場は今後、年平均60.5%で成長し、18年度には1820億円に達する見込みだ。
MMD研究所が今年11月、全国20歳以上の男女2211人を対象にウェブアンケートを実施したところ、「クラウドソーシングサービスを知っている」と答えた割合(認知度)は29.9%だった。「知っている」人のうち、「仕事を受注したことがある」割合は42.2%で、全体の1割強はクラウドソーシングで仕事を受けたことがある。
仕事を受注したことがある人に、クラウドソーシングサービスの利用目的を聞いたところ、「副収入を得るため」が最も多く34.4%、次いで「自分の所属する企業の受注案件を増やすため」が17.2%、「フリーランスとして受注案件を増やすため」が16.8%だった。個人が副収入を得る目的が最多を占めるが、自社企業の受注を増やすために利用する人も目立つ。
最も多く受注する仕事内容については、記事作成などの「ライティング」が29.7%でトップだった。次いで「データ入力作業」が16.5%、「コピー作成」「イラスト作成」が8.2%となっている。こうしたサービスの利用者に「今後もクラウドソーシングを利用したいと思うかどうか」尋ねたところ、8割が「利用したい」(「利用したい(44.1%)」+「やや利用したい(36.2%)」)と答えた。
クラウドソーシングサービスのうち、多種多様な業務を取り扱う総合型のサイトを比較したところ、会員数が最も多いのは2008年12月からサービス提供している「ランサーズ(42万人)」だった。次いで「クラウドワークス(26万人)」、「クラウディア(25万人)」となっている。報酬の支払いについては、会員数2位の「クラウドワークス」が最も安い1000円以上で支払対象となるほか、ランサーズ、クラウディアは3000円以上で支払対象となっている。(編集担当:北条かや)