ソニーとソニーCSLは12月18日、新事業として教育サービス「ソニー・グローバルエデュケーション」を設立すると発表した。新会社の設立にはソニーが90%、ソニーCSLが10%を出資し、来年4月1日の事業開始を予定している。
ソニー<6758>とソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)は12月18日、新事業として教育サービス「ソニー・グローバルエデュケーション」を設立すると発表した。新会社の設立にはソニーが90%、ソニーCSLが10%を出資し、来年4月1日の事業開始を予定している。
ソニーとソニーCSLは、インターネットを活用した事業展開を2012年から進めており、これまでに多言語対応の算数クイズアプリ「MathNative(マスネイティブ)」や、オインラインで世界中の人が参加できる算数大会「世界算数(英語名称:Global Math Challenge)」などのアプリを開発してきた。
これら事業を教育に特化した「ソニー・グローバルエデュケーション」に移管し、さらなる教育サービスの充実を図っていく考えだ。今後は算数以外の科目も導入していく方針で、理科を扱ったアプリも制作していくという。2年後には数十億円まで売上を伸ばし、将来的には科学、技術、工学、数学のSTEM科目を中心とする科学技術教育サービスへ進化させていくとした。
経営不振が長引いているソニー。10月31日に発表された14年度第2四半期(4~9月期)決算では、モバイル事業の失敗で引き起こされた1,760億円もの赤字が響き、営業損益が157億円の赤字となり、最終損益も1,091億円の赤字となった。
モバイル事業は中国での失敗が大きく響いた格好で、現地格安メーカーの「小米科技」に大敗という結果に終わった。ソニーはこの赤字を修正すべく、来年度から方針を利益重視に変更するとした。モバイル事業の大幅な事業縮小を決断。製品数を絞り、世界に展開している営業所を再編しながら、16年までに人件費や設備などを今までの70%まで抑えていく方針だ。
ソニーは事業内容を見直しながら徹底したコストカットを図っていくとして、ついには長年務めてきた国際サッカー連盟(FIFA)のスポンサーも降りることを決定。復活へ向けて力が入る中、教育サービスの新事業がどのように発展していくのか見守っていきたい。(編集担当:久保田雄城)