ソニー、スマートロック事業の合弁会社を設立

2014年12月15日 07:14

 スマートフォン(多機能携帯電話)を活用することにより、様々な「便利」が私たちの生活にもたらされるようになった今、もはやスマートフォンは通話やメールをするためのツールではなく、私たちの生活全般に深く関わりを持つ重要なツールとなっている。そのため多くの人がそれなしの生活は想像ができないだろうし、また企業も新たな「便利」を私にたちに届けるため、日夜新しい技術やサービスの開発に励んでいる。

 こうしてスマートフォンの「便利」が日に日に進化するなか、電機メーカーの大手ソニー<6758>が12日、スマートフォンを鍵の代わりに使用し、自宅や事務所の玄関ドアの鍵を開けたり閉めたりすることができるようにする新規事業を開始するとの発表を行った。この新規事業ではスマートフォンで鍵の開閉を行うことのできる「スマートロック」の開発や販売、サービスを取り扱う予定で、この新規事業の運営は、近くソニーとアメリカの投資ファンド「WiL(ウィル)」によって合弁で設立される新会社「Qrio(キュリオ)」によって行われる。

 この新会社「Qrio」はソニーの持つ無線セキュリティ技術や公開鍵認証技術などを活用した「スマートロック」の開発や販売、サービス提供などを行い、来年度より個人や法人に向けて販売を開始するとしている。そして「Qrio」の資本金は3億3350万円で、ソニーが40%、「WiL」が60%を出資する。また会社の代表には「WiL」のジェネラルパートナーである西條晋一氏が就任する。

 そして「Qrio」はサイバーエージェント<4751>の子会社が運営するクラウドファンディング「Makuake(マクアケ)」などを利用し消費者などから投資を募り、新規事業の早期立ち上げをはかるとしている。そして出資者に対しては優先して割引価格で商品を届けるとしている。このようにソニーのような大企業がクラウドファンディングを利用するケースは珍しい。もしこのケースが成功し新規事業が軌道に乗れば、ほかの大企業もクラウドファンディングを活用した新規事業の立ち上げに興味を示し始めるかもしれない。

 こうしていっそうの「便利」を追求するスマートフォン。ますますそれは私たちの生活にとって欠かせないものとなりそうだ。(編集担当:滝川幸平)