日本を代表する電機メーカーでありながら、現在は経営不振により構造改革を進めるソニー<6758>、そのソニーが25日に経営再建の鍵を握るエレクトロニクス事業に関する大規模な説明会を行った。そこでソニーは立て直しが急務とされているスマートフォン(多機能携帯電話)の構造改革を来年度中に完了させ、収益を安定させたいという考えを示し、またスマートフォン事業のかわりにプレイステーション(PS)4などのゲーム、そしてセンサーなどのデバイス事業に注力し、それを足がかりに業績改善をはかりたいという方針を示した。
そして25日に開かれた説明会でソニーは、2017年度のエレクトロニクス事業の売上高(モバイルコミュニケーション事業は除く)を発表。それによれば売上高を14年度比で6.3~19.8%アップさせるとの目標を掲げた。またセグメント別に売上高の目標を見てみると、「ゲーム&ネットワークサービス分野」が14年度比8.5~24.0%アップ、「イメージング・プロダクツ&ソリューション分野」が14年度比1.4%~8.5%ダウン、「ホームエンタテインメント&サウンド分野」が14年度比8.3%~16.7%ダウン、「デバイス分野」が14年度比19.8%~46.1%アップとした。
そしてリストラを実施したことにより今年度中に大規模な減損損失の計上を行う「モバイル・コミュニケーション分野」については、14年度中に開示する予定とし、今回の説明会では発表されなかった。
今回の発表をみる限り、今後のソニーの命運を握るキーワードは「ゲーム」「スマートフォン」であると言えるだろう。なかでも特にスマートフォンはモバイル事業が1720億円の赤字を計上したこともあり、効果的な立て直し策をはからない限り、いつまでもソニーの業績の足を引っ張り続ける結果ともなるだろう。説明会では来年度中にモバイル事業の構造改革を完了させ収益を安定させるとしているが、はたしてどのような立て直しを行い収益を安定させるのか、今後のソニーの動きに注目がなされている。(編集担当:滝川幸平)