メルセデス・ベンツ日本が昨年、輸入車ブランドとして初めて「東京オートサロンwith NAPAC 」に出展、今年も1月9日から開催した同イベントで新型車「Bクラス」の2種類の特別限定車をお披露目した。この東京オートサロンに昨年参加した輸入車ブランドは、このメルセデスとルノーだけだったが、今回は大幅に増加。東京モーターショーに次ぐ自動車イベントに成長してきた。
現行のメルセデス・ベンツBクラスは、2代目に当たるモデルだ。初代から引き継いだ完璧なキープコンセプトの基に設計されたモデルで、一見しただけでは、2代目になって、どこが変わったのか判断できないほどだ。ただし中身は大きく進化している。
BクラスはミニバンとコンパクトHB(ハッチバック車)の中間的なモデルで、サイズのうえでは欧州Cセグメントに属する。が、高い全高を与えたことで独特なポジションにあるモデルだ。もともと、Aクラスから派生し、Aクラスでは「ラゲッジが狭すぎる」とする顧客に向けて発表されたクルマだ。が、Aクラスが全高を下げた「普通のコンパクトHB」クラスに移行した現在、“広い室内空間とコンパクトなボディ”を基本に設計した、かつての「スタディA」コンセプトを継承しているのは、このBクラスだと言っても良い存在だ。
そのボディ寸法は全長×全幅×全高4365×1785×1540mmと非常にコンパクトだが、ホイールベースは2700mmと長く、タイヤをボディ四隅に追いやることで広いキャビンとラゲッジルームを獲得している。
搭載エンジンは2種で、1.6リッター直列4気筒直噴ガソリンターボと2リッター直列4気筒直噴ガソリンターボを用意。前者は122ps/20.4kg。mの出力&トルク、後者は211ps/35.7kg.mを発生する。いずれも、低回転域から発生する太いトルクが自慢のユニットである。
今回、オートサロン会場で発表した特別限定車は、「B 180 Sports Edition Red」、「B 250 4MATIC Sports Edition Red」のふたつで、カタログ・ラインアップモデルには設定のない鮮やかなクランベリーレッドの本革シートおよびドアパネルとブラックアッシュウッドインテリアトリムを組み合わせた。エクステリアには、スポーティで精悍な印象を高めるハイグロスブラックペイント18インチAMGマルチスポークアルミホイールを採用した。
装備面では、車間距離を適切に維持するとともに、先行車が停止した場合は減速して停止する渋滞追従機能を備えた「ディストロニック・プラス」、ドアミラーの死角範囲をレーダーによってモニターして危険性を警告する「ブラインドスポットアシスト」など先進の安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」を備える。また、快適装備では、キーを使用せずに施錠&解錠ができ、ボタンを押すだけでエンジンが始動できる「キーレスゴー」、バックレスト折りたたみ角度調整、後席シートスライド機構、2段階のラゲッジフロアボード調整で通常時の荷室容量を666リッター(VDA方式)に拡大できる「EASY-VARIO PLUS」などの利便性を向上させる「ベーシックパッケージプラス」を特別装備している。
本特別限定車「B 180 Sports Edition Red」は150台、「B 2504MATIC Sports Edition Red」は50台の限定で、ボディカラーは前者がカルサイトホワイト、後者がコスモスブラック。価格は453.0万円と535.0万円となる。
メルセデス・ベンツ日本では、消費増税後も比較的堅調に推移した販売は、きめ細かく限定車などの新型車を投入した結果として、今年も新商品を切れ目無く連続的に発表していくという。(編集担当:吉田恒)