米の12月失業率5.6%。市場予想を上回る改善

2015年01月14日 12:05

 アメリカでの失業率が市場の予想を上回る改善をみせている。9日にアメリカ労働省が発表した12月の雇用統計によれば、失業率は5.6%と前月より0.2ポイント改善した。これはリーマンショック発生前の2008年6月以来となる低水準であった。

 アメリカ労働省が発表した雇用統計によれば、非農業部門雇用者増減数は25万2000人の増加、民間部門雇用者数は24万人の増加、その結果、失業率は5.6%となった。11月の増加数35万3000人よりはマイナスとなったものの、失業率は前月の5.8%よりも0.2ポイント改善した。これで雇用の安定的な改善に必要とされる20万人以上の伸びを、11ヶ月連続でキープすることとなった。このことからも、アメリカの経済が着実に回復の道を歩み続けていることがうかがえる。項目別に見てみると、建設部門が4万8000人増加と大きく伸長し、製造業部門も1万7000人増加した。しかし労働参加率は62.7%と、前月の62.9%よりもマイナスとなった。

 15年のアメリカ経済は3%程度の成長率で推移し、最近の原油価格の急落によるガソリンの値下がりにより家計の出費が抑えられる分、個人消費が伸長するのではないかという見方がなされており、こうしたこともアメリカ経済の回復の好材料になるものみられている。そして今回の雇用統計からもわかる通り、雇用も順調に改善を続けており、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は15年の終わりごろには、失業率は5%前半にまで下がるのではないかとの見通しを示している。

 しかし12月の平均時給は前月比0.2%ダウンの24.57ドルであり、比較可能な06年以降で最も大きな落ち込みとなった。また前年比では1.7%アップという結果であり、12年10月以来となる低い伸びであった。前月11月の平均時給は前月比0.2%アップであった。しかしこうして平均時給がマイナスであっても、今のアメリカ経済の回復傾向には大きな影響を及ぼさないという考え方が大方を占めており、今後もこのアメリカの勢いは継続されるものと思われる。(編集担当:滝川幸平)