米クリスマス商戦スタート 雇用回復と原油安を受け今年は期待大

2014年12月07日 09:43

画・米クリスマス商戦スタート 雇用回復と原油安を受け今年は期待大

アメリカでは感謝祭が明けると、国全体、街全体が一気にクリスマスムードへと変わる。商店や街頭だけでなく、民家にもイルミネーションが多く施され、年末までの1ヶ月間を華やかに彩っていく。今年は、数年振りのクリスマス消費増加への期待が高まっている。

 アメリカでは毎年11月の第4木曜日が感謝祭(サンクスギビング・デイ)だ。そして、その翌日の金曜日は「ブラック・フライデー」と呼ばれ、商売が黒字に転じる日と言われている。なぜ黒字になるかというと、ブラック・フライデーからクリスマス商戦が始まるからだ。

 今年も11月28日金曜を境とし、米クリスマス商戦が始まった。この日から年末までは、1年間で最もアメリカ国内の消費が高まる時期だ。しかも今年は、リーマンショック以来の好調が期待されている。好調判断の材料となっているのは、アメリカ経済全体の回復傾向と、原油価格下落による急速なガソリン価格の低下だ。

 米国労働省統計局のデータによると、リーマンショック後には最大10%まで達した米の失業率は5年以上かけて回復し、今年の10月にはついに5.8%まで下がってきている。リーマンショック前の失業率が4~5%だったことを考えると、雇用状況がかなり改善されてきたことが分かる。加えて株価は上がり続け、ブラック・フライデーの11月28日には、NYダウ終値は1万7828ドルの最高値を更新した。こうした状況を踏まえ、全米小売連盟では、今年のクリスマス商戦で前年比4.1%増の売上予想を見込んでいる。この数字が現実のものとなれば、2004年以来の非常に高い売上となる。

 それだけの高い期待を後押ししているのが、この秋からの原油価格下落による急速なガソリン価格の低下だ。OPEC(石油輸出国機構)が原油減産を見送った影響もあり、11月末には原油価格は1バレル65ドル台まで落ち込んだ。この原油急落は、直接的に米国内のレギュラーガソリン価格低下に影響し、消費者の財布には思わぬ余裕が生まれている。このタイミングで節約されたガソリン代は、そのままクリスマス消費アップにつながる可能性が大きい。米小売業界では、その期待に胸を膨らませ、ここ数年よりもセールの前倒しや特売品の増加といった動きも目立っているようだ。

 一方で、そうした好調予測が空振りに終わるのではないか、との懸念もある。その要因は経済面ではなく、アメリカを取り巻く現在の社会情勢だ。最も大きいのはミズーリ州ファーガソンで起きた、黒人青年を白人警官が射殺した事件に端を発する暴動だろう。現在もファーガソンでは商店が襲われるなどの暴動が続き、デモも米国内各地に飛び火している。この事件の影響が、クリスマスのお祭りムードに影を落とすのではないか、という見方もある。

 この他にも、台頭するイスラム国への対応や、エボラ出血熱拡大への不安など、政治不信は大きい。こうした懸念材料がどう消費マインドに影響するかが今年の米クリスマス商戦の鍵となるだろう。(編集担当:久保田雄城)