GPIF、13年度の運用益10兆円。3年連続の黒字

2014年07月08日 09:06

 公的年金の運用を行っているのは、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」呼ばれる独立法人なのだが、この「年金積立金管理運用独立行政法人」が4日、2013年度の運用実績を発表した。それによれば、13年度の運用益は国内外の株価上昇により10兆2207億円の黒字であったことが分かった。これで、3年連続の黒字である。12年度の11兆2222億円からは減少したものの、2年連続で10兆円を超えた。また黒字の増加額は、「年金積立金管理運用独立行政法人」が年金の自主運用を開始した01年度以降、二番目の大きさである。

 アベノミクス効果で金融市場が円安・株高に振れたことにより、収益率は8.64%と高い利益を稼いだ。好調が続くアメリカ経済を背景に欧米株式が上昇し、外国株式は12年度末よりも4兆7387億円増加。また国内株式も景気回復ムードによって株価が値上がりし、12年度よりも3兆1855億円増えた。また、資産の55%を占める国内債券は、去年の4月に行われた日本銀行の大規模緩和後の金利上昇によって国債価格が大きく下落したのが影響し、3653億円増加という結果であった。これにより13年度末の運用資産の総額は、年金特別会計への納付額2兆1116億円などを差し引き、126兆5771億円となった。12年度よりも6兆1118億円の増加である。

 「年金積立金管理運用独立行政法人」は債券や株式に分散投資を行っている。すべての資産の運用収益率は8.64%。12年度は10.23%であった。運用収益の内訳を見てみると、外国株式が4兆7387億円と最も多く、続いて国内株式が3兆1855億円、外国債券が1兆7777億円、国内債券が3653億円という結果であった。

 しかしその一方、14年1~3月期で見てみると、1兆15億円の損益となっている。損益の内訳を見てみると、国内株式で1兆5498億円、外国株式で216億円の損失であった。しかし国内債券では4615億円、外国債券では732億円の運用益となった。今年になって、円安進行が落ち着き、国内の株式相場が調整の傾向に入ったことが影響した模様だ。(編集担当:滝川幸平)