リコー、静岡県の閉鎖工場を環境事業の拠点に

2015年01月17日 14:48

 事務機器、光学機器などの製造を行っているリコー<7752>が、世界的な価格競争の影響などにより2013年より稼働を停止させ閉鎖していた静岡県御殿場市の工場を再利用し、「リコー環境事業開発センター」を開所させるとの発表を行った。リコーはこの「リコー環境事業開発センター」を省エネルギーにつながる蓄熱製品開発、また環境事業の中心的な拠点にしたいとしている。

 リコーは14日、静岡県御殿場市にて閉鎖した工場を再利用し、「リコー環境事業開発センター」を開所するとの発表を行った。2015年の夏より順次業務を開始し、リコーが創業80周年を迎える16年より本格的な業務を開始する予定だ。

 「リコー環境事業開発センター」では製品を製造する際に出る熱を再利用する蓄熱技術や、廃プラスチックを油に戻す技術などの研究が行われる。そのほか太陽光などの再生可能エネルギーの発電技術の開発や複合機を回収する拠点として活用される。「リコー環境事業開発センター」の敷地面積は10万1203平方メートルで、建物面積は7万1074平方メートル。従業員数は約1000名で、別の事業所や研究所から集められる。

 静岡県御殿場市の工場は1985年より稼働が開始され複合機などの生産が行われていたが、世界的な価格競争の影響や、また国内での別拠点や中国、タイへの移管が進行するともない、13年より稼働停止となっていた。リコーはこの御殿場市の工場の売却も検討していたが、しかし神奈川県海老名市の研究所などとも連携が図りやすく、また新技術の研究が進行してきたこともあって、リコーが将来的に主力事業へと成長させたいと考えている省エネルギー事業や環境事業の中心的拠点として再利用することを決定した。

 リコーは20年度までに環境事業の売上高を今の10倍近い1000億円にするとの計画を立てており、そのうちこの「リコー環境事業開発センター」での事業により350億円から400億円程度を売り上げたいと考えている。

 そしてリコーは今回の「リコー環境事業開発センター」の開所発表に際して、『私たちの持つ技術力とお客様接点力の強みを活かした事業活動を通じて、「環境にやさしい会社」を目指します』とのコメントを発表している。(編集担当:滝川幸平)