連合の神津里季生事務局長は政府の来年度予算案(一般会計総額96兆3420億円)について「いわゆるアベノミクスが助長した格差を是正する姿勢がみられない」と指摘したうえで「社会的セーフティネットの充実・強化による将来不安の解消、雇用の安定と質の向上などを通じ国民全体の底上げを求める、生活者・働く者の声に応えた内容とは言えない」と酷評した。
そのうえで、神津事務局長は「底上げが進まなければ、経済の好循環も実現困難であり、財政健全化の道筋も描けない」としている。
神津事務局長は子ども・子育て支援新制度が予定通り実施されることには一定の評価をしたが、雇用政策では「安易なリストラを誘発しかねない労働移動支援助成金が拡充されている一方で、景気縮小時に雇用維持をはかるための雇用調整助成金が縮小され、予算額が逆転した」と問題視。
「雇用維持効果が高い雇用調整助成金は急激な景気変動時に備え、今後も制度を維持した上で、柔軟かつ機動的な対応が図られるべき」とした。(編集担当:森高龍二)